Dec 08, 2009

平成21年、戦前ブルース新譜

New_arrival

CDとCD-Rは似て非なるもの、との結論を得た。なるほど、そういうことだったのか。今頃、一人納得しております。面目ない。
さて、ドキュメントから新譜が出た。もちろん、戦前ブルース専門のあのレーベルからだ。戦前ブルースの新譜というと(新譜といえるかどうか分からないけど)、ブルース・カレンダーに付いてるオマケCDくらいのものじゃないかと思うが、こっちはオマケじゃなくてれっきとした販売用CDである。平成も21年。戦前ブルースの新譜である。なんだかしみじみするなあ。
ところがだ。これが残念なことにCD-R。そりゃないぜ。どうせiPodに入れて聴くんだろうから関係ないだろ、とでも言いたいのか。だったら、ダウンロードのみの販売にしたらどうだ。いや、ゴメン。iPod持ってません。とほほ。

というわけでまずはチャーリー・バース。オムニバスでは何曲か聴けたが、単独盤は初めてではなかったかと思う。メンフィス・ジャグ・バンドのメンバーで、しかしながらサウンド的にはメンフィス・ジャグ・バンドというよりもハーレム・ハムファッツに近い。
英KENTはミティ・コリア、シュガー・パイ・デサントと、ここ数年まさにかゆいところに手が届くといった女性シンガーのリリースで一部マニアの話題を集めているが、このマキシン・ブラウンはなぜかほとんど口の端にも上らなかったような気がする。なぜだろ。そうか、ならば聴いてやろうという人はこちら
もう一枚のドキュメント盤は省略。

Charlie Burse and his Memphis Mudcats - Memphis Highway Stomp (Document)
Memphis Blues Vol.3: 1927-1930 (Document)
Maxine Brown - Best Of The Wand Years (Kent)

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Dec 06, 2009

フライング・ホームの功罪

Illinois_jacquet

やっぱり、イリノイ・ジャケーは勘違いされている。恐らくこれはジャケーの代名詞とされる「フライング・ホーム」が、元祖ブロワー・サックスとして喧伝されすぎるが故のことだろう。あと、JATPでのあのヒステリックなブロウ合戦とか。
しかし、ジャケーは言うまでもなくそういった狂騒的なプレイばかりじゃない。あくまでも、そういうのもあるってことだ。40年代のジャケーを丹念に聴けば、彼の本質はスウィング・テナーにあったことがわかるし、またバラードを吹かせればベン・ウェブスターに迫るほどの情感溢れるプレイを聴かせるのである。それに大体「フライング・ホーム」にしたってよくよく聴けばそれほどホンカーっていうほどのもんじゃないと思うんだけど。

確かに「フライング・ホーム」やその周辺のほんの一部しか聴かずに「ジャケーは…」なんて言う無責任なリスナーもいるにはいるけれど(ジャケーには山ほど録音があるというのに)、だがしかしこの「勘違い」はリスナーの責任じゃない。例えばアイク・ターナーといえば「凶暴/凶悪ギター」、ルイジアナといえば「ゴッタ煮」としか表現できない失語症的ブルース(ジャズ)評論家に責任があるのだ。
それにしても、そんな評論家の言葉を鵜呑みにしてジャケーのアポロ~サヴォイ録音(いやアラディンだって、クレフ/ヴァーヴだってそうだ)を知らぬままジャズ人生を終えなければならないとは。まったく、お気の毒様としか言いようがない。

The Illinois Jacquet Story (Proper Box)

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Nov 25, 2009

続・モダン・ジャズ・レコード・コレクション

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前回のつづき。
本盤は71年録音で、この時期のエリントン・バンドというとホッジスもローレンス・ブラウンもキャット・アンダースンもいない。かろうじてポール・ゴンザルベス、ハリー・カーネイ、クーティの名前が見えるのが救いというか。
しかしそうしたかつての名手不在の体制にあっても、その流麗かつ精緻なアンサブルは全盛期に二歩も三歩も及ばないものの、あのエリントン・サウンドを復元しているあたり、敢闘賞的な良さがあるのである。
と、こんなこと書くと「おまえ、今ごろ何言ってんだ」とバカにされそうだが、これで如何に普段ちゃんとレコードを聴いていないかがわかるでしょ。いやお恥ずかしい。
ところで、そうしたオーケストレーションされた演奏ももちろんいいが、本アルバムで一番耳を惹かれたのはシンプル極まりないソピアノ・ソロの「グーフ」だった。幻想的であり、また耽美。私はこういうセンチメンタルな小品に滅法弱い。そして、エリントンという人はそういうのを弾かせると実に天下一品なのである。
さて、そうなると気になるのは、この曲のオリジナル・スタジオ・バージョンである。はて、一体どのアルバムに入っているのか。再び探索開始。私、こういうことになると実にフットワークが軽いのだな。調べてみたところ、パブロの『Up in Duke's workshop』だった。もちろん、これも持っている。だが、いやはや、例によってまったく聞き覚えがない。
早速針を落としてみる。しかし、何としたことか。これ、違う曲だよな。ピアノ・ソロでもないし。アレンジの具合で違って聴こえるのかと、何度か聴いてみたが、やはりこれは同名異曲だ。うーん。
どなたか事情通の方、ご教示願えればありがたい。

前回の画像のCDは
V.A. - Jazzmen Play The Blues 1923-1957 (Fremeaux & Associes)
V.A. - Frog Spawn The First Batch (Frog)

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Nov 22, 2009

モダン・ジャズ・レコード・コレクション

Newarrival

先日、本棚を整理していたところ、奥から『モダン・ジャズ・レコード・コレクション』が出てきた。久しぶりにパラパラとめくってみる。
京都のジャズ評論家、久保田高司氏の著作となるこの本は、ジャズメンを楽器別、スモール・コンボ/ビッグ・バンド等に分け、そのプロフィール、氏の推薦するLPを列挙するという体裁をとっている。試しにデューク・エリントンの項を見てみると、氏の推薦盤は次のとおり。

1) Masterpieces
2) Hi-Fi Uptown
3) The Popular Ellington
4) 極東組曲
5) ニューオーリンズ組曲
6) Great Paris Concert
7) ロンドン・コンサート
8) 女王組曲
9) The Symphonic Ellington

「モダン・ジャズ・レコード」ということなので、50年代以降からの選盤なのだけれど、ありきたりと言えばありきたり、誰が選んでもこうだろうなあというラインナップ。だが、中に1枚だけ見慣れぬものが混ざってやしないか。そう、(7)の『ロンドン・コンサート』である。
というわけで、このLPは持ってはいるけれど中身の印象がほとんどないので、それほどの内容だったかどうか確認すべく早速試聴開始となった。
つづく。

Albertnicholas
Albert Nicholas Quartet (Delmar)

アルバート・ニコラスの件ですが、これです、ドクター殿(これは送れません)。
試聴はここ

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Nov 13, 2009

三勝五敗~その三

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サニー・ボーイ同様、イギリスのPWB(Post War Blues)もまた今回1枚手に入れることができた。ただPWBはこれが最後の1枚(?)で、これでこのレーベルはすべて揃ったと思う。多分。
で、最後の1枚というのはEP盤なのだが、しかし私、EP盤は大体が高いので本来なら手は出さない。が、今回は話が別だ。少しばかり気合いを入れて入札に臨んだところ、競争相手は二人、しかもほとんどスタート値で買えたのはラッキーだった。
ところでこの盤の出品者は、ブルース・カレンダーでお馴染み、ジョン・テフテラーだった。テフテラーって、SPばかりじゃなかったんだ。
実はもう1枚、テフテラー氏が出していたEP盤に入札したのだが(ホントはこちらの方が欲しかった)、こちらは結構な高値。もちろん撃沈であった。

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Nov 11, 2009

三勝五敗~その二

Sbw_ii

さて前回のつづき。サニー・ボーイは昨年もストリーヴィル盤を入手しているが、今年もまた1枚手に入れることができた。
サニー・ボーイIIはチェスに人気が偏りすぎているのか、チェス以外のレコードはわりと安くで買える。これは前々から探していたもので、やはりジャケがいい。ただ、難点というか気にくわないのがマット・マーフィーのギター。マット・マーフィーっていう人は実にそつのない巧いギターを弾くんだけれど、でもただそつがないというだけで、面白くとも何ともないギターなのだ、これが。
サニー・ボーイは気長にコレクトしたいと思っている。来年はあれを手に入れたいなあ。

戦利品ネタはもう少し続きます。

【参考出品】 私が好きなサニー・ボーイのレコード
Bc9
サニー・ボーイI世とII世、どちらが好きでしょうか? 私はII世。

京都ホット・ディスクのカタログを見ていたらフランク・ハッチスンのドキュメント盤が。カタログに「レア」と書いてあるとおり、確かにそうだ。持ってはいるが、思わずもう1枚買っておくかと思ったくらい。でも今の懐具合がそれを許してくれない。

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Nov 02, 2009

三勝五敗

Littlemisscornshucks

いろいろな理由からしばらくeBayは傍観するにとどめていたのだけれど、ここ二カ月ほどはいい物件がめじろ押しでどうにも我慢しきれず、久しぶりにいくつか入札に参加している。が、現在の成績は三勝五敗くらいか。「くらい」とあいまいなのは、落とせなかったものについてはなるべく早く脳の記憶細胞から追い出そうと努めているからで、何が落とせなかったのか今思い出そうとしても、「あれ?何だったっけか?」という具合なのである。これは私の精神の安定を図るためにいつの間にか身についた、いわば特技と言ってもいいくらいのものなのだけれど、ただひとつ、これだけは激しく尾を引いた。ブル・ムース・ジャクスンのオーディオ・ラボ盤。ニア・ミント。これを落とし損なったのがかなり痛かった。へこみにへこんで、食事はのどを通らず(ま、食べたけど)、立ち直るのに数日かかったくらいだ。ちなみに落札価格は300ドルだった。あ、そうだ、思い出した。キャピトルのパーカーもだった。あー、いやなことを思い出した。

しかし自分で言うのもなんだけど、なかなかいい物件も落としている。そのうちの1枚がチェスのリトル・ミス・コーンシャックス。彼女のCDは仏クラシックスに1枚あるが、それはチェス以前の録音を集めたもの。これはなぜかまだCD化されていないので、LPで持っている価値は十分あると思う。しかし、きっとこれはCD化されないだろうな。つまりは、そんな内容です。

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Oct 28, 2009

近着

New_oct09

Jimmy Hughes - Steal Away (Ace)
V.A. - The Complete Goldwax Singles Vol.2 (Ace)
Barbara Lynn - Here Is Barbara Lynn (Water)
V.A. - Gastonia Gallop (Old Hat)

1枚を除いてどれもよい。で、その除かれる1枚は、右下のオールド・ハットの新譜だけど、まだ聴いていないからというのが、その理由であります。でも、多分今回も悪くないはず。

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Oct 09, 2009

グッドマンに捧ぐ

Runninwild山中千尋の新譜を聴く。何と今作はベニー・グッドマン生誕100年を記念して(かどうかは分からないが)、グッドマン作品またはグッドマンゆかりの曲を多く取り上げたグッドマンへのトリビュート・アルバムとなっている。何でも彼女はグッドマンの大ファンというが、ホントだろうか。で、しかも今回のアルバムでは、グッドマン・コンボよろしくクラ、ヴァイブを入れての編成で、初っぱなからエアメール・スシャルだ。ギターが余計だが(ソロまでとるなよ)、まあ我慢しよう。

日本人女性ジャズ・ピアニストの最高峰のアルバムは、大西順子の『WOW』であるというのが我々ジャズ・ピアノ・ファンの一致した意見だと思うが、山中千尋も大西に肩を並べるところまで来たのではないか。どうだろうか。でもやっぱり『WOW』って、群を抜いているな。今聴いてもしびれる。

今月は他にも何枚か新譜が届いているけど、私、もうこれ1枚あれば十分。
さて、次回作はぜひ再びピアノ・トリオを。気が早いか。

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Sep 26, 2009

ジャグ・バンドのレコード (9)

Jug_band_9

久しぶりにジャグ・バンドのレコードです。今回は2枚。1枚目はCoralのEP盤「ジャズ・ミュージアム・シリーズ」から。
『Early Jug Band』とタイトルされた本盤は、オールド・サザン・ジャグ・バンドとフィリップス・ルイジアナ・ジャグ・バンドの二組が収められている。内容的には別段珍しいものではない。両バンドともRST盤、ジャズ・パースペクティヴ・シリーズの『クリフォード・ヘイズ&ザ・ルイヴィル・ジャグ・バンド』のそれぞれ第1集と第4集で簡単に聴ける。余談になるが、ジャグ好きは全4枚からなるこのシリーズはぜひコレクションしておいた方がいい。あるうち買うときや!だ。
CoralのこのEP盤シリーズはもう1枚、アラバマ・ウォッシュボード・ストンパーズ/アラバマ・ジャグ・バンドをカップリングした盤も手元にある。が、これらのバンドは当ブログでは散々取り上げてきたので、今回は省くこととします。

2枚目は、これは果たしてジャグ・バンドといえるか。なぜなら、ジャグ奏者がいないから(ただ、チューバ奏者がいて、これがジャグ的な効果を上げてはいるが)。
では、なぜあえてこれを「ジャグ・バンドのレコード」として取り上げるかというと、中村とうよう氏の次の一文による。
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最後に、ストリング・バンドとジャグ・バンドとジャズとのかかわりがそのまま戦後まで生きつづけてすばらしい音楽を生んだ稀有な実例として、ブラインド・ジェイムズ・キャンベルのレコード(Arhoolie F1015)をぜひお聞きになるよう推薦しておく。
「ジャグ・バンドをめぐって」/『ブラック・ミュージックとしてのジャズ』(ニューミュージック・マガジン社)
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こう言われれば、とりあえず聞かないわけにはいかない。
「稀有な実例」かどうかは当方、浅薄な知識にて何ともわかりかねるが、「すばらしい音楽」かどうかは、趣味の問題と絡んで意見の分かれるところではないか。私見ではやや平均的。

Early Jug Bands 1924/1930 (Coral 94262)
Blind James Campbell And His Nashville Street Band (Arhoolie F1015)

ガス・キャノンのスタックス盤、ニア・ミントとはいえ、ウィニング・ビッドが800ドルだって。あー。

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