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Apr 30, 2005

ユタ・ヒップ

jutta_hipp少し前にアル・ヘイグについて触れているとおり、別にオールド・ジャズばかりを聴いているわけじゃない。モダン以降のものだって、たまにだけど聴くのだ。まあ、ヘイグにしたって十分古いかもしれないけど。
で、この『ヒッコリー・ハウスのユタ・ヒップ Vol.1』もモダン・ジャズの中では好きな一枚。いや正確に言えばオールドもモダンも関係ない。別に時代で聴いている訳じゃないし。とにかく昔からこのレコードが好きで、今でも一年に一度、棚から取り出して聴いている。
ユタ・ヒップはドイツのクラブで演奏しているところをレナード・フェザーに見いだされ、55年、アメリカの土を踏むことになる。アルバム・タイトルにあるヒッコリー・ハウスというのはニューヨークにあるステーキ・ハウスで、これはそこでのライヴ録音盤である。
まずフェザーのMCが入り、続いてヒップが今にも消え入りそうな声で曲紹介、1曲目の"Take Me In Your Arms"がスタートする。
緊張のあまり、指がもつれているんじゃないかと思わせるようなガチガチなピアノの音。しかし彼女のピアノはスウィング感にあふれ、そして何よりもプレイから伝わってくるひたむきさが胸を打つ。
演奏が進行するにつれ緊張も和らぎプレイが徐々に精彩さを増し、彼女のピアノがクールかつメロディックに歌い始める。
とてもいいライヴ盤だなと思う。

彼女はブルーノートに本盤を含め3枚のアルバムを残すが、結局のところそれほどの評価・成功は得られず、音楽活動に終止符を打つことになるのである。

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Apr 22, 2005

いづみや

夕食も済んで、ビールを飲みながらCDを聴いていたところに電話が。出ると、東洋一のゴスペル好き酒屋のおやぢこと、仙台の佐々木健一さんだった。正月以来か。ちょっと久しぶり。
主な用件は世間話と御用聞き(笑)。いつものように、ひとしきり野球、サッカー、ボクシングの話を。しかしいつも思うことだが、昔のいろんな話をよく覚えている。私なんか話をすると、「あれ」とか「それ」が頻出するけど、佐々木さんは立て板に水といった話しぶりで、しかも記憶力の良さときたらもう感心するばかり。結構笑える小ネタ話もあって30分くらいがあっという間だった。

hawk_squat
音楽の話になって、「最近何を聴いてるの?」と聞いたら、J.B.ハットーという返事。健ちゃんもブルースを聴くことがあるんだねぇと言ったら苦笑していたが、それにしてもハットーとは。ブルースのCD事情に詳しい方ならすぐにピンと来ると思うが、聴くきっかけとなったのは今年になってPヴァインも国内リリースした、デルマークからのハットーの「幻のデビュー・アルバム」。巷でうわさになっているやつだ。しかし、もともとハットーは結構好きだったとのこと。
で、その新しいのも良いんだけどやっぱり『ホウク・スクワット』だよなあ、というところでお互い意見が一致、話は落ち着いた。

さて電話の最後で、「面白い話があるんだけど、ブルース&ソウル・レコーズ誌には書けないから手紙に書くよ」と。酒と一緒に送るからさ!だって(笑)。

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Apr 16, 2005

Jivin' The Vibes

スウィング時代の名セッションといえばテディ・ウィルスンのブランズウィック・セッションとヴィクターにおけるライオネル・ハンプトンのオール・スター・セッションということになる。オールド・ジャズ・ファンであれば必ず耳にしているであろう必聴録音である。

Lionel Hampton - Jivin' The Vibes (RCA Camden CAL 402) [LP]

hamp_camden今回入手したLPは、大量にあるハンプのヴィクター録音の一部を抜粋したものとなる。
私の場合、ヴィクターのハンプはブルーバードの5枚組LPボックスを持っており、中身もさんざん聴いてよく知っているものばかり。だから、このレコードに針を落とすことは恐らくない。
なのにあえて買ったのは、単に「ジャケットが良かったから」である。もちろん、値段も安かったこともあるが。
今回のLPはRCAのキャムデンだが、当ブログではキャムデン盤はファッツ・ウォーラー、ジョニー・ガルニエリに続き3枚目の紹介となる。相当なレコード好きであれば、キャムデン盤を集めているのかと察するのかもしれないが、いやこれは単なる偶然。

ところでライオネル・ハンプトンといえば、オールド・ジャズ・ファンは別としてブルース・ファン、とりわけジャンプ・ファンからは「フライング・ホーム」がらみでしか語られない。それも話題になるのはほとんどイリノイ・ジャケーのテナーばかりで、ハンプのヴァイブが、何て言うブルース・ファンなんて50人に一人もいないだろう。だからどうしたって言われても困るんだけど。

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Apr 14, 2005

ハード・タイム・ブルース

hard_time_bluesたった1枚のレコードを残しただけで、その後の消息は不明、いやそれどころかどんな人物だったのかさえもまるで分からないといった「謎のブルースマン」がいかに多いかをブルース・ファンなら当然のごとく知っている。そしてその1枚のレコードに時として素晴らしいブルースが刻まれていることもまた、ブルースを長く聴いてきた方なら経験的によく知っていると思うし、恐らくそういったレコードの1枚や2枚、誰しも心に隠し持っているんじゃないだろうか。

私の秘めたる一人がレーン・ハーディンである。
彼が残したのはSPの両面に刻まれた2曲のみで、その昔、マムリッシュのLP『ハード・タイム・ブルース』でアルバム・タイトルにもなっている同曲と、もう1曲の「カリフォルニア・デザート・ブルース」を耳にしたのである。
ハーディンの陰鬱に響くファルセット気味のヴォーカルは胸に突き刺さるほど繊細で、またつま弾く感じのギターもちょっと独特の雰囲気があった。
マムリッシュのこのLPはセントルイスのブルースマンを集めたコンピなのだが、確かにハーディンの持つ繊細さは同じセントルイスのブルースマン、チャーリー・ジョーダンやクリフォード・ギブスンのそれと相通ずるものがある。が、それ以上のことは一切分からない。ともかく2曲とも淡々としたブルースではあるけれど、とても強烈な印象を残したのだった。

ハーディンの2曲はドキュメントの"Backwoods Blues"に収録されている。このコンピはボー・ウィーヴィル・ジャクスンことサム・バトラーやキング・ソロモン・ヒル(!)も収録された名盤級のCDだったが、残念ながら現在はレーベル品切れ状態のようだ。しかし! 私のホームページでいつもご協力いただいている京都の通販専門ショップ、ホット・ディスクの少し前のカタログには載っていた。まだ残っているかどうかは不明だが、興味のある方は早めに問い合わせてみるといいだろう。その際、「カフェソログで見た」と一言書かれると有効かも(何がだ)。
で、惜しくも入手し損なった方は、1曲づつの収録となるが以下のCDで聴けるので参考までに。

Hard Times Come Again No More Vol. 1 (Yazoo)
"Hard Time Blues"収録

Poor Man's Heaven: Blues & Tales of the Great Depression (Bluebird)
"California Desert Blues"収録

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Apr 10, 2005

RCA "X" - VOL.3

毎度ご好評いただいているRCA"X"ネタですが、ぼちぼちとネタがなくなりつつあります。
「まだまだ他にたくさんあるだろう」と思われるかもしれませんが、ここでは基本的に新たに蒐集したものを紹介しておりまして、既に持っているものは載せません。もちろんすべてのX盤を集めたわけではないけど、もう食指を動かされるようなものが残っていないのです。というわけで、取りあえずは今回で一区切りということになりそうです。
では。

Paul Whiteman's Orchestra feat. Bix Beiderbecke (RCA "X" LVA-3040) [10"LP]

paul_whiteman_xポール・ホワイトマン・オーケストラは1920年代から30年代半ばにかけて最も売れたと言っていいほど人気のあったジャズ・オーケストラであった。今日では白人ダンス・バンドというレッテルをはられジャズ・ファンからは軽視されがちだが、ただ唯一ビックス・ファンにとっては立派な収集の対象となっているのである。
ビックス・バイダーベックのまずもって聴くべき録音は、彼のリーダー録音ないしはフランキー・トランバウアーとのものだが、量的にさほど多くない。それでビックスのコルネットを愛する人間はほとんど例外なく、ほんの数小節のソロを求めてレコードを探し始め、果ては吹いてるんだかいないんだか分からないようなものまでも集めていくようになるのである。
そこでそういったファンの要望に応えてというか、当然帰すべき結果として、LP時代には14枚組だ、20枚組だとかいったボックス・セットが出ていたのである。私のレコード棚にも伊ジョーカーの14枚組LPボックスが並んでいるが、実のところ持っているだけ。ほとんど聴いていない。愛聴盤はジャケットに「BIX」と大書きされた、お馴染みの3枚からなる米コロンビア盤『ビックス・バイダーベック・ストーリー』である。

さて肝心のこのX盤だが、ホワイトマンのこれはちょっとと思えるような甘い演奏でもビックスのコルネットが鳴り出すだすと、たちまち耳を奪われ満足してしまう。さわやかなトーン、吹き抜ける風のようなフレーズ。もっと吹いてくれないかなあ。心底そう願ってしまうのである。

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Apr 06, 2005

アル・ヘイグ

バド・パウエルの熱烈なファンとしても知られるジャズ評論家の佐藤秀樹氏の著書『ジャズ・ピアノ決定盤』(絶版)は、あらゆるジャズ・ピアニストに対する感謝と敬意の念が込められた感動の書で、私の座右の書の一冊となっている。
この本の中で白人バップ・ピアニストの名手中の名手、アル・ヘイグについてこう書かれている。
「アル・ヘイグは僕にとって最も大切なピアニストである」
私には氏がヘイグにこうした気持ちを抱くのがよく分かる。なぜなら私もヘイグのかなりのファンだからだ。もちろん、逆立ちしたって私にはこんなうまい言葉は思い浮かびもしないけど。

ヘイグのピアノはクールではあるけれど、その底辺には常に彼流のロマンティシズムが流れている。サラッと弾いているようでいて実に奥深い表現力は、見事としか言いようがない。このそこはかとなく漂う優しさや哀愁に気持ちが癒され、以後手放せない大切なピアニストとなるのである。
しかしこう書くと軟弱なバラード・ピアノかと思われるか。ヘイグは正真正銘、硬質なジャズ・ピアニストである。

al_haig_quartet彼のレコードだが、年1、2枚といったかなりのスロー・ペースではあるけれど、もう長い間ポツポツと買い集めている。しかし必携盤の1枚と言われている"Al Haig Quartet"だけがどうした巡り合わせの悪さからか、なかなか出会えない。それほどアナログにこだわっているわけでもないので先日とうとうCDを買ったのだが、何でもっと早く買わなかったのだ!と悔しいやら嬉しいやら、今夜もディスクをトレーにセットするのである。

最も好きなアルバムはやはり『ジャズ・ウィル・オ・ザ・ウィスプ』で、1年に1回無性に聴きたくなってレコード棚から取り出して聴いている。
「アル・ヘイグは僕の最も大切なピアニスト」か。うまいなあ。

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Apr 02, 2005

R&B SINGLES 1942-2004

知っている人は知っている、ジョエル・ホイットバーンのチャート本『Pop Memories 1890-1954』だが、ホームページのディスク・レヴューを書いたりするときなど、何かと参考にさせてもらっている。個人的には戦前/戦後のディスコグラフィ、『Blues Records』と同じくらいに大事な資料である。
しかしながらブルース・ファンの間では『Blues Records』ほどには話題にのぼらないようだ。確かにライターでもない限り、そこまでは必要ないということかもしれない。だけど、ブルース・レコーズなんかよりよっぽど楽しめると思うんだけどな。面白い発見もあるし。

rb_singlesところで、『Pop Memories』に記してあるのは1954年までのチャートである。大抵の場合はそれで事足りるのだが、たまにその後のものや、あるいはR&Bチャートが知りたいことがある。で、もちろんというか、ありがたいことにそれも出ている。実はホイットバーンのビルボードR&Bチャートを記した最新改訂版、『Top R&B Hip-Hop Singles: 1942-2004』が出たのでこれは良い機会!とばかりに注文して、やっと先日届いたのである。なかなかの重厚感あふれるたたずまい。これを『Blues Records』と並べて、う~む、う~むと悦に入ったりしているわけである。

さて、中をパラパラと見てみると、例えば「チャールズ・ブラウンは以外とチャートを賑わした曲というのは少ないなあ。それに比べるとナット・キング・コールは格が違う!」とか、「ルイ・ジョーダンのヒット・メイカーぶりはやっぱりすごい!」なんてことに改めて気付かされる。また余録として、マディ・ウォーターズの"Mad Love" (Chess 1550)の相場が$175ということも分かるし、また年別のトップ20アーティストを見てみると、「へぇ~!」なんてのが結構あったりするのである。
本書はアーティスト別に編集されているが、曲名でも引けるし、その他興味深い資料も満載である。ネタ本ばらしみたいなことはホントはしたくないが、興味の沸いた方はどうぞ。私はレコード・リサーチ社から直接買ったが、海外通販は苦手という方はアマゾンでも扱っているので、そちらを利用されるといいだろう。え?とっくにご存じ?

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