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May 28, 2005

Hot Club Quartette

ここ2,3年、「ホット」だの「クラブ」だのといった単語の付いたバンド名をやけに目にするが、要するにこれはジャンゴ・ラインハルトのフランス・ホット・クラブ五重奏団を意識したジャンゴ・フォロワーであることを宣言しているわけである。
私もこの手のものは好きなので、結構買って聴いたりするのだけれど、もう聴いただけではどれがどれやら区別がつかなくなっている。一様にどれも悪くない。が、かといってどれかが飛び抜けて良いこともない。感動がどれも平均的なのである。ま、でも頭二つリードしているのはホット・クラブ・オブ・カウタウンであろうか。
さてそんな中、ホット・クラブ・カルテット(これまた紛らわしい名前)のセカンド・アルバムがリリースされた。

The Hot Club Quartette - Volume 2 (Stringtone ST-002)

hot_club_vol2彼らは平成の上海バンスキング、ジャネット・クラインのバック・バンドを務めるパーラー・ボーイズのメンバーでもある。ま、アメリカ人に「平成の」っていうのも何だが。
ジャネットのアルバムでは彼女の強烈な個性と彼らのスウィンギー、ノスタルジックなサウンドが相まって一つの世界観を描き出しているが、より支配的なのはやはり彼女のあの「独特さ」である。というわけで、彼らのアルバムも彼ら名義のものであるにもかかわらず「インストゥルメンタル・サイド・オブ・ジャネット・クライン」といったイメージで捉えられがちであるのは、彼らの不幸と言えるかもしれない。
とは言え今回のアルバムは、彼らのオリジナル曲とジャンゴの曲とが巧みに絡み合って構成され、一つのコンセプト(ジャンゴ)で貫かれているところはさすが。ところどころもたつき気味になるギターが気になりはするが、彼(Billy Steele)の場合はコンポーザーとしての腕を買うべきかも。

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May 27, 2005

Kingfish Blues

tampa_rca好きな戦前のブルースマンを三人挙げよと言われれば、チャーリー・パットン、トミー・ジョンスン、そしてタンパ・レッドということになる(2005年5月現在)。
ロバート・ジョンスンは挙がらない。偏屈だから、私。
この中ではタンパ・レッドがちょいと浮いているように思えるかもしれないが、理由は簡単。とにかく私、この人の声が好きなのだ。

タンパといえば「イッツ・タイト・ライク・ザット」の大ヒットに味をしめて大量に録音された、無反省なホウカム・ナンバーにはうんざりさせられることもあるけれど、その後の汚名返上(?)となったブルーバード録音がたまらなく良かった。
かつて、RCAのヴィンテージ・シリーズの1枚、"Bluebird Blues"に収められていた "Kingfish Blues"の力まず、がならずのちょっと力の抜けたヴォーカル。どちらかと言うとブルースマンらしくない線の細い声なのだが、実に私の好みだったのである。
さてそうなると当然のことながら「もっと!」となるわけだが、その直後にタンパの決定盤と言われていた米国ブルーバードの2枚組LPをタイミング良く入手できた。あの時のこみ上げてくるような喜び!

タンパ・レッドは押しつけがましいところもないし、飄々としていて迫ってくるようなすごみもない。だから飽きずに今でも聴いていられるのだなあ。

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May 19, 2005

アルバート・コリンズ 45s

最近入手した、アルバート・コリンズのHallのシングル。彼の極初期のキャリアとなるものである。

Albert Collins - Thaw-Out cw Backstroke (Hall 1925) [45s]

collins_hallA面"Thaw -Out"はブランズウィックのエリントンを思わせるようなジャングル・サウンド! そしてB面の"Backstroke"はテキサス流シャッフル・ビートで、どちらも最高にディープかつアグレッシヴなインストゥルメンタル・ロッキン・ブルースとなっている。
で、これがシングル盤ならではの実に男らしい音圧で迫ってくるんである。まるで猪木の闘魂ビンタを喰らったような衝撃である。喰らったことはないけど。

ところでコリンズというと、アリゲーターを支持する声が圧倒的に大きいようである。しかも判で押したように『フロストバイト』。デビュー・アルバムやインペリアル録音が好き、なんていう意見は滅多にお目に掛からない。
確かにアリゲーター以降のファンキーなサウンドはセールス的にも成功しているし、それはそれで一つの評価になりうるけれど、しかしひょっとするとマスコミ等の評価をそのまま鵜呑みにしているだけで、実はアリゲーターより前なんて聴いたことないっていう人が結構いるんじゃないかと思ったりもするのだが、どうだろうか。実際、インペリアルはコンプリート2枚組があったが廃盤になって久しいし。
それにである。試しにこのシングル曲の入ったデビュー・アルバムのリイシューCDを久しぶりに聴き直してみたのだが、これが何ともトホホな音なのである。こんな蚊の鳴くような音ではいくら初期コリンズの良さを力説してみたところで、その3分の1も伝わらないではないか。ま、べつに力説する必要もないわけだが。

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May 14, 2005

Willie Walker/Howard Tate

私にしては珍しくソウル2枚。年1回あるかないかだな、こんなこと。

Willie Walker and the Butanes - Right Where I Belong (One On One Records)

willie_walkerおくればせながら昨年の話題盤、ウィリー・ウォーカー。出た時点で早くも入手困難盤になるかもとのうわさは聞いていたけれど、ま、そのうちに買おう、なんてのんびりしていたらホントに手に入らなくなっていた。
注文して待つこと3カ月、もうダメかとあきらめかけていたので、まずは一安心。
それにしても、だ。O.V.ライトを彷彿とさせるこのヴォーカル、この味わい。似ているとは聞いていたが、ここまでとは。あふれるサザン・ソウルの様式美。う~む、たまらん。グレート! これがホントに2004年の新録か。買えて良かった!

Howard Tate - Get It While You Can: The Complete Legendary Verve Sessions (Hip-O Select)

howard_tateこちらはニューヨーク・ディープ・ソウルの名盤、ハワード・テイトの"Get It While You Can"にモノラル・シングル(涙もの!)と、さらにボーナス・トラックを加えたコンプリート仕様盤。
本CDのリリース元であるHip-O Selectは、ユニヴァーサルが持つ膨大な音源の中からマニア向け名盤を初回限定でプレスし、ネット通販のみで販売するというレーベル。
で、本CDだが、昨年リリースされた当初は米国国内にしか発送しないとのことで、買えなかったものである(確か)。しかし、やはり本国だけでは、さばき切ることができないと悟ったか、いつの間にか日本でも買えるようになっていた。
5000枚限定で、シリアル・ナンバー入り。ちなみに私の手元にあるのが1704番。まだまだ余裕たっぷりだが、無いとなったら、とことん無いのがこの手の盤である。
最高の内容であることは言わずもがな。

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May 10, 2005

Blowing The Fuse

blowing_fuseオムニバスCDの購入基準はいかにダブリが少ないか、あるいは目玉となる曲が収録されているといった話題性があるか否かが重要なポイントとなるわけだが、リイシュー状況も進むにつれ、その合格ラインとなるハードルも年々高くなってきているわけである。
しかしそういった収録曲重視の一方で、あくまで編集の妙で聴かせるといったオムニバスの王道盤も依然としてあるのである。

さて、そこで昨年よりベア・ファミリーが開始した戦後のR&Bヒットを一年ずつまとめていこうというシリーズ、「Blowing The Fuse」である。この手の編集盤としてはArcheophoneやASVといったレーベルが、こちらは戦前のポピュラー・ソング・ヒットだけど、やはり各年ごとにまとめたコンピを出しており、なかなか面白いシリーズとなっている。
で、このベア・ファミリー盤の紹介記事がbsr(ブルース&ソウル・レコーズ誌)の最新号(No.63)に掲載されたのである。
私もリリースされていたのは知っていたが、当然ヒット曲集であるから耳馴染みのある曲ばかりであるし、それに1枚ものにしては結構いい値段(アマゾンで約3000円)なので手を出さずにいたのである。しかし記事を読んでいると、どうにも気になり始めてくる。う~む、と迷っているところに当の記事を書いたbsr編集部の濱田氏からメールが。「値段は高いけど絶対買いです!」だって。しかも、「マニアのツボを突く!」って(笑)。

というわけで取りあえず第1集の1945年編を買ってみたのだが、しかし知っている曲ばかりとは言え、こうした「その年のヒット」という並びで改めて聴いてみると想像した以上に面白い。ファイヴ・レッド・キャップス~バディ・ジョンスン~ジョー・リギンス~カウント・ベイシー~ハッダ・ブルックス~T・ボーン~ビッグ・メイシオなんていう並びはかなり刺激的だ。
値段は高いが、さすがはベア・ファミリー! ボリュームたっぷりのカラーブックレットが付いて、納得の価格である。今のところ本シリーズは1955年まで計11枚出ているがいくら何でも全部は…。と思いながらも早速また1枚注文してしまった。どうするつもりだ。
といったところでまた次回。オムニバスを考えるのココロだぁ~。

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May 05, 2005

バンジョー夜話

ジャズにおける三種の神器といえばピアノ、サックス、ギターだろうか。中でもギターは、ジャズ・ギターのみを専門に扱う雑誌があるくらい人気者なのである。私もギターは好きな方だけど、大体があまのじゃくなので、本屋でその手の雑誌を見かけても一切読まない。大人げないと言われようが、ささやかな抵抗というわけである。
しかし、今でこそギターは大手を振って自信満々な体だが、エディ・ラングあたりが出てくるまで、いや、出てきてからもしばらくは、ジャズにはギターではなくバンジョーだったのである。

banjo_crackerjaxというわけで、ジャズ・バンジョー愛好家の私がフェイヴァリットとするプレイヤー、ハリー・リーサーを。
彼はいわゆる神童といった類の人であった。十代でギター、ピアノ、ヴァイオリン、チェロを学び、15歳でピアニストとしてデビューするものの、最終的にはバンジョー奏者となるのである。その超絶テクニックは、エディ・ピーボディと並び称されるバンジョー・プレイヤーの巨人である。
ところで、バンジョーというとカントリー・ミュージックのそれを思い浮かべる人が多いかもしれない。私もかつてはその一人だったが、このヤズー盤を聴いて、バンジョーも極めればここまでくるかと激しく感動したものものだった。
バンジョーというのはギターのようにサスティンが効かない。つまり一つの音が長く伸びないので、どうしてもピッキング数が多くなる。結果、何ともせわしないことになってしまうわけだが、逆にその音数の多さを誇示するかのようなリーサーのソロ・プレイは実に圧巻である。そりゃもう凄まじいというか、落ち着きがないというか(笑)。ただ彼のプレイは、単にテクニックがどうこうということ以上に歌があるのである。そこに惹きつけられてしまうのだ。
私がよく聴いたヤズーのLPは、現在そのままの形でCD化されている。
Harry Reser - Banjo Crackerjax 1922-1930 (Yazoo)
またその他にも彼が率いていたシックス・ジャンピン・ジャックスというバンドのものがTOMから2枚出ているが、ヤズー盤が断然面白いと思う。

さて、お薦めのバンジョー・プレイヤーを紹介する「バンジョー夜話」の第一話、いかがだったでしょうか。やっぱり地味っすか。

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May 03, 2005

陶器市

ゴールデンウィークも中盤。今日は何の予定もないが、こんな天気の良い日に部屋にこもって音楽を聴くなんてバカげている。どこか良いところはないかと思案していたところ、この連休中、車で40分くらいのところで陶器市をやっていることを思い出した。
私、特にそういう趣味はないのだが、ちょうど湯呑茶碗が少し欠けていたし、ヒマつぶしにいいだろうと早速出かけてみることにした。

さて、現地に到着してみると、30余りの窯元が出店しているとのことで、結構なにぎわい。それにしても想像したとおり、人、人、人だ。年齢層はさすがに中高年が中心だが、若い男女もそれなりにいる。
陶器のことはさっぱり分からないので、取りあえず目的の湯呑み、湯呑みと余計なものには目もくれず、一店ずつ手早く見て回ることにした。だが、なかなかこれはというのが見つからない。店も残り少なくなり、もう今日はいいかと思いかけて入った店(テント)で、とんぼの絵の入った小ぶりな湯呑みが目に入った。
手に取ってみると持った感触もいいし、値段も安い。まだいくつか見ていない店があったけど、これを買うことに決めた。で、その湯呑みを持ったままその狭いテントの中をあれこれ見ていると、ハーモニカを持ったネコの焼き物が目についた。小さな置物なのだが、なかなか良い味を醸している。衝動買いしようかと思ったが、懐具合のこともあって思いとどまることにして、その湯呑みだけを店の若い主人(年齢は40前後くらいだろうか)に「これをください」と言って差し出した。
するとその主人が「お買い上げいただいた方に絵を書いて差し上げているんですが」と言う。なるほど、そういえばテント内にある茶碗や皿にはユーモラスな赤鬼やなまずの絵が入っているし、愉快なカエルの置物が並んでいたりする。それでちょっと考えて「じゃあ、そこにあるハーモニカを持ったネコの絵を」と頼んだ。するとご主人はニッコリほほえんで「そっくりにとはいかないかもしれませんが」と言いながら筆ペンのようなもので非常に慣れた手つきで半紙にサラサラと絵を書き始めた。主人の言葉は謙遜で置物そっくりの絵だった。書き終わるとその絵をくるくると丸めて袋の中に一緒に入れてくれた。
先に言ったように陶器のことはよく分からないけれど、ネコの絵同様、あの主人(窯主)の人柄が伝わってくるような滋味深い作品が多かった。それにしても絵もうまいなぁ。明日、額を買いに行くとするか。

catharp

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