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Aug 28, 2005

ロイ・ゲインズ

Roy Gaines - Rock-A-Billy (Black Gold Records)

roy_gainesロイ・ゲインズというと、日本を代表するジャンプ・ギタリスト、吾妻光良氏との共演アルバムもあるが、何と言っても80年代初めクルセイダーズのメンバーをバックに吹き込んだ、いかにもテキサス流といったモダン・ブルース・アルバムを思い出す方が多いのではないか。
そのレッド・ライトニンからリリースされたアルバムが彼の初リーダー・アルバムとなるのだが、実は彼のキャリアはもっと古く、50年代から活動を開始している。中でもジュニア・パーカーやボビー・ブランドのバックでギターを弾いていることはよく知られているところで、ゲインズといえば、それらの録音を思い起こす方も多いかもしれない。

ところで彼は50年代にリーダー録音があり、チャート、グルーヴ、デラックスといったレーベルにシングルを残している。がしかし、これらは今までリイシューされていない。
というわけで私、密かにこれらのシングル盤を買い集めてやろうと思っていたのだが、これがなかなかであった。しかし、もうその必要もなくなったのである。ゲインズのアンイシュードを除く50年代のシングルがほぼ完全にCD化されたのだ。全14曲。うち1曲は『BLUES RECORDS』にも載っていない出所不明曲。
内容はロカビリーあり、ロッキン・ブルースあり、そしてR&Bと、どれもがバッチリ決まっている。ギターについては今さら耳タコであろうが、T・ボーンをもうちょっとワイルドにしたテキサス・スタイル。しかしこの頃からすでに少しの破綻も見せないプレーぶりはさすがの一言。

このCD、買ったのは7月なんだけど、未超盤の山に埋もれたままになっていた。先日偶然発見されて、今ごろ聴いているといった次第。

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Aug 23, 2005

蒐集ノート/8月

collect_aug

書きたいことはあるのだけれど、このところ時間にゆとりがない。といって、このへんで何か書いておかないとこのままズルズルと8月が終わってしまいそうなので、取りあえず今月入手したレコードでも紹介してお茶を濁しときます。

Billy Strayhorn - The Peaceful Side (United Artists UAJ 14010)

まず一枚目。ビリー・ストレイホーンのこのアルバムについては、以前「そいなみ盤」という記事で紹介したとおり(詳しくは2004年12月の記事を)。私としてはCDでもそれなりに満足していたのだが、今月の初め、突然LPが入荷したとの知らせが入った。もちろんオリジナル、ユナイテッド・アーティスツ盤である。2000円で売られているソリッド・ステイトの再発盤ではない。恐る恐る値段を聞いてみると、これが何とソリッド・ステイト盤より安い金額を言うのである。思わず「えっ!」っと言ってしまった。
店主曰く、盤に若干傷があるのだという。もし気に入らなければもう1回探しますと。それで私、もちろんそれで結構ですとありがたくいただいた。大体がレコードの傷なんてほとんど気にしない人間であるし、それにとりあえずCDを持っているので音については問題ない。
さて、レコードが届いて早速針を落としてみたのだが、雑音はほとんど気にならない。ジャケットはきれいだし、これでこの値段。ちなみに盤質が“ex”以上であれば本盤は1万円近くはする。

Sidney Bechet - Haitian Moods (Stinson SLPS 46)

オールド・ジャズを聴き始めの頃、ベシェは私のアイドルだった。今では出会った頃のような情熱は薄れつつあるが、それでもフェイヴァリットの一人であることには違いない。
先のストレイホーンと同じくこのStinson盤も長い間探していたのだけれど、正直もう忘れかけていた。しかしそれだけにうれしさこみ上げる収穫だった。
このLPはベシェが39年にカリビアン・リズムを取り入れた、ちょっと珍しい録音が収められている。
ところで本盤とほぼ同内容のものがSwingtimeから"Tropical Mood"(通称「ストーカーのベシェ」、踊っている少女をベシェが木陰からのぞき見ているという変なジャケのためにそのようなネーミングとなっている。ま、実は私が勝手にそう呼んでいるだけだが)というタイトルでも出ているが、それはこのStinsonのリイシュー盤になる。格としては当然こちら(Stinson)が上で、ベシェ・ファンとしては持っていたい1枚。

Jack McVea - Nothin' But The Jazz (77 Records 77LA12/22)

最後はジャック・マクヴィ。これは先日の「避暑盤」へのつっち~御大のコメントにあった盤で、私を散々羨ましがらせた1枚。こんなに早く手に入るとは。うしし。
この盤もハーレクインから再発盤が出ている。そちらであれば入手も容易なのだが、男ならここはオリジナル・イシューである77 Records盤にこだわらなくてはならない。とまあ、エラソーに言ってみたが、実はオリジナルと言ってもお安いのである。14ドル。ハーレクインより安い(笑)。しかし簡単には見つからない。そこがオリジナルである。ハーレクイン盤とはありがたみが違うんである。

ではまた。

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Aug 14, 2005

残暑見舞い

何年かぶりにくじゅう~阿蘇に行ってきた。観光名所は人が多いのでそういうところは避けて、ほとんどキャンプ地にじっとして朝から夜まで本を読んだり、ビールを飲んだり、山を眺めたりしてのんびりと過ごした。
静かなのはいいのだが、夕暮れどきともなると、えも言われぬわびしさが襲ってくる。
山の中というのは本来そうしたものであろうが、それにしても恐ろしいほどの夜の静寂に、一刻も早く朝日が見たくなってくる。もう早く寝るしかない。早々に温泉に入る。
露天風呂からは遠くに根子岳が見えた。そして空を仰ぐと、気味が悪いくらいの星の洪水。天の川は氾濫していた。珍しく長い時間風呂に浸かっていた。

kuju1

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Aug 10, 2005

避暑盤

stan_getz_sound相変わらずネットで購入したCDが毎週毎週どこからか送られてくるのだけれど、以前にも書いたとおり封も切らずに机の上に積み上げたままになっている。それもこれもこの夏の暑さが原因で(自室にはクーラーもないし)、減退するのは食欲だけではなく音楽の聴取欲も同様なのである。

そういうわけで、少し前のコメントにも書いたように毎年夏は本を読んで過ごすことにしている。が、まるで音楽を聴かないわけではない。夏になるとソーメンをよく食べるのと同じように、避暑盤とも言えるCD/LPが何枚かあって、専らそればかり聴いているというわけだ。
で、その1枚がスタン・ゲッツの『ザ・サウンド』。いわゆる名盤ものだが、これは同時に幻盤でもあったオリジナル・ルースト仕様盤で、2002年に国内盤紙ジャケでリリースされたものである。
「オリジナル・ルースト仕様」とは何かというと、ルーストのコンプリート集でも聴くことのできないゲッツ珠玉の逸品「ディア・オールド・ストックホルム」が収録されているものを指す。というのもここに収録されている「ディア~」を含む6曲はオリジナルのルースト盤(LP)には入っていたのだが、実はこれらの曲は元々メトロノーム・レーベルに吹き込まれたものなのである。そのため現在では権利関係によりオリジナルLPの形で出すことができず、故に幻盤と言われてきたのである。
ところが3年前、突然リミテッド・エディションとして特別に国内でのみリリースされた。案の定、あっという間になくなってしまったが、ゲッツのこの盤にしろ、ズート・シムズのデュクレテ・トムソンにしろ、まさに出たとき買わないと明日はもうないという典型のような盤であった。

説明が長くなった。「ディア・オールド・ストックホルム」である。日本人であれば必ず好きであろうこのメロディ。ゲッツの心に響く詩情豊かなプレイは、これがテナーかと思うほど涼味たっぷり。汗が体からスーッと引いていくほどである。ただ、あまり聴き過ぎると飽きるのでほどほどに。これが肝心。

さて、ところでこの机の上の未聴盤をどうするかだ。一応、秋になったらと思っているのだが。でも軽く3桁はあるぞ。

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Aug 05, 2005

続・ハード・タイム・ブルース

downhome44月の記事で戦前ブルースマン、レーン・ハーディンを取り上げた。彼は戦前にたった1枚のSPを残して消えた謎のブルースマンであるが、最近英エイスからリリースされた"The Modern Downhome Blues Sessions"の第4集に何とそのハーディンの戦後録音4曲が収録されたのである。
まさに青天のヘキレキ。で、その録音というのが変名を使って吹き込まれたもので、アーカンソー・ジョニー・トッドという人物と、さらにリロイ・シンプスンというシンガーのバックでギターを弾いているのがハーディンその人であるというのである。

実はこの二人は、ケントのアーカイヴ・シリーズ(子供のジャケットでお馴染み)の1枚、"Blues From The Deep South"にも収録されていたのであるが、やはり二人とも素性の分からない謎のブルースマンとされてきた人物だった。
本CDのライナーにはこれまでのリサーチとそれに基づく詳細な分析等が記載されている。確かに言われてみればトッドのハイピッチなヴォーカルといい、ちょっとクセのあるギター・スタイルといい、素人耳にも納得がいくほどハーディンに酷似している。それはもう一人のリロイ・シンプスンのバックに聴かれるギターも同様の印象である。
ところでそのシンプスンについてだが、ライナーには彼もまたハーディンではないかとの指摘がなされている。ただ声が違い過ぎるとのことから、現時点では「リロイ・シンプスン with レーン・ハーディン」で決着させているが、やはり「この声」で同一人物説はちょっと無理があるように思われる。

さて、個人的にはとても驚かされた今回のCDだが、ハーディン以外にもアレキサンダー・ムーアやリル・サン・ジャクスンといったダウンホーム・ブルース・ファンにはたまらない音源が目一杯詰まっており、ファン必携の1枚となっている。先に触れたケントのアーカイヴ・シリーズで聴けた音源も多いが、今年入手したCDでは今のところベスト1だな。

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Aug 02, 2005

Belzona

「もしもし、佐々木さんですかぁ。え~と、ヤズーのレーベル・カラーのことでちょっと教えてもらいたいんですが」。
あまりに唐突な質問に一瞬たじろいだようであったが、後日手紙にて返事をいただいた。さすが佐々木のケンちゃん。

先日、がちゃこさんよりヤズーのレーベル・カラーについてのお尋ねがあった。黒いのと赤いのがあるが、その違いはプレスの年代違いによるものなのかとの質問である。
で、よく分からないながらも、ヤズーの前身のベルゾナが黒だから黒に始まったんじゃ…と実にあやふやな返事をしてしまったところ、今度はベルゾナを見たことがないから見せてくれと。お見せするのはお安いご用なのだが、どうせならついでにご質問の件をもう一度調べてみるかということで、ヤズーならこの人、佐々木健一さんに電話を入れたと、まあ、こういうわけなのである。
いただいた手紙だがこれが結構なボリュームで、ヤズーにまつわる佐々木さんならではの楽しい話もつづってあるので、これはこれでいずれちゃんとした形でホームページの方に上げたいと思っている。とにかく私、夏は極端に行動が鈍るので、秋風吹く頃になると思うけど、そういうわけでしばしお待ちを。

今回佐々木さんの手紙で初めて知ったことが一つ。黒と赤のほかにもう一つ「紫」があったのである。恐らく極一時期プレスされたものではないかと思うが、かなり珍しいものではないだろうか。このパープル・レーベルをカラー・コピーしたものも手紙と一緒に同封されていたので合わせてHPでお見せする予定。お楽しみに。

さて肝心のレーベル・カラーの変遷についてだが、結論から言うとプレスされた年代による違いということで、具体的に何年から何年までがということまでは分からなかったが、黒→紫→赤そしてカラー・イラストの順であろうとのこと。
先にも書いたようにヤズーは当初ベルゾナというレーベル名でスタートしている。調べた限りではL-1006の"THE BLUES OF ALABAMA"までがベルゾナで出ていたようだ。つまり、1006番まではベルゾナがファースト・プレスということになる。で次がヤズーのブラックと。また当初はモノラル盤で出されていたが70年代初期から疑似ステレオに切り替わっており、その辺りの時期はレッドであったようだ。レッドにはモノとステレオがある。
というわけで、以上それがどうしたって話なわけだが、何かの参考になれば。ま、何の参考になるのかは私もよくわからんが。

belzona_1002

V.A. - Ten Years In Memphis 1927-1937 (Belzona L-1002)

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