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Dec 31, 2005

今年最後の蒐集ノート

原稿も書かなくてはならないのだけれど、ブログも気になる。で、とりあえずこれまでの蒐集ノートのアップ漏れをパパッと出して、今年最後のエントリーといたします。

まずはハーウィンの400番台。ピアノ・フリークにはたまらんシリーズ。いっぺんに4枚。嬉しっ!

herwin400
They All Played The Maple Leaf Rag (Herwin 401)
Piano Ragtime Of The Forties (Herwin 403)
Piano Ragtime Of The Teens, Twenties & Thirties Vol.2 (Herwin 405)
Piano Ragtime Of The Teens, Twenties & Thirties Vol.3 (Herwin 406)

401は全編メイプル・リーフ・ラグというもの。演奏者はモートン、ライオン・スミス、ジェイムス・P、ユービー・ブレイク、etc。残り3枚はタイトルどおりの内容。403はラッキー・ロバーツ、J・ローレンス・クックが嬉しい。また403と406のマスタリングを手掛けているのはヤズーのオーナー、ニック・パールズ。もちろん、さすがの選曲。

次は11~12月に入手したものの中から適当にピックアップ。

collect_dec
Nat King Cole - The King Cole Trio (Jazz Trip JT-VII)
Jaki Byard - Solo Piano (Prestige PR 7686)
Harry Reser - Vamp! (Columbia CL 1285)
Pee Wee Russell - Jam Sessions At Commodore (Commodore DL 30,006)

ナット・キング・コールは、彼の最も古い録音が収められたもの。似た内容のLPがDJMにもある。今となってはさして珍しい内容でもないと思うが、これは1000円ほどだったので。
ジャッキー・バイアードはピアニストとしてはあまり話題になる人ではないけれど、私は好きだな。
ハリー・リーサーはU.S. Columbia盤で、一応これは6eye。内容は彼のダンス・オーケストラもので、はっきり言ってつまらない(笑)。念のため突っ込まれる前に言っておくがこのジャケ、HGの真似をしているわけではないので、ドクター殿。
今年はピーウィーのLPが結構手に入った。中には長年の探求盤も! このコモドアのオリジナル12インチLPも前から欲しかった1枚。これでピー・ウィーのレコード集めもようやく出口が見えてきた?

最後は久しぶりにRCAの"X"シリーズ。

yancey_x
Jimmy Yancey - Blues And Boogie (RCA "X" LX-3000) [10"LP]

ジミー・ヤンシーというと一般的にブギ・ウギのイメージが強いが、スロー・ブルースに絡む彼の朴訥としたヴォーカルもなかなか味があるのだ。

さて、今年も本家CAFE SOCIETYに年末恒例ベスト5をアップしました。興味がお有りの方は、こちらをどうぞ。
では皆様、よいお年を。

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Dec 25, 2005

ヴァーサタイル! ロニー・ジョンスン

読まきゃよかった、観なけりゃよかった、なんていうことは長年本や音楽に接しているとままあるわけである。例えば『アトランティック物語』のリーバー&ストーラーのうんざりさせられるような狡猾さであるとか、また今更な話題だがDVD『アメリカン・フォーク・ブルース・フェスティヴァル』(以下、AFBF)で多くの失笑を買ってしまったジョン・リー・フッカーなどは、近年ダントツの観なきゃよかったである。それにしてもフッカーはあれでかなりのファンを失ったのではないかと推測するのだが。ま、失うまではいかなくともフッカーを見る目は確実に変わったはずだ。
で、フッカーほどではないにせよ、ロニー・ジョンスンもまた同じくAFBFで若干の痛手を負ってしまったのではないかと思うのである。

ロニー・ジョンスンといえばシティ・ブルースにカテゴライズされる一方、「ヴァーサタイル」の代名詞を持つとおり、セッションマンとしてのキャリアは他に類を見ないほど多岐にわたっている。テキサス・アレキサンダー、エディ・ラング、そしてジャズの巨人、デューク・エリントン…。これら全方位的な活躍ぶりは、何にでも対応可能な技術と柔軟な音楽性があればこそ。まさにヴァーサタイルなのである。

といったところでAFBFにおけるロニーである。本編には彼がリード・ヴォーカルをとるトラックもあるが、問題なのはヴィクトリア・スピヴィのバックを務めたトラックの方。彼のMCでヴィクトリア・スピヴィを呼び入れて、サニーボーイらと彼女のバックを付けるのであるが、飄々とした彼の立ち姿、手慣れた感満々な弾きっぷりはハテ、遠い昔どこかで見たような……。そしてしばらくの後「うむ、そうか!」とポンと膝を打ちました、私。見事に重なり合ったその姿は、五千曲のレパートリーを持つという、アコーディオンおじさんの横森良造なんである。
どんなものがきてもそつなくこなせるという自信と余裕から漂ってくる風格。しかし、有り難みというもののまるでなさ。まさしく横森良造(しつこいか)。なんかしみじみするなあ。というわけで、ヴァーサタイルの方向性が横森良造に帰着してしまったのは何とも意外な結末であったが、同時にこのAFBFのロニー・ジョンスンは、彼のレコードの持つ意味を一から考え直させられる映像でもあった。

先日、DVD『THE!!!! BEAT』がやっとアマゾンより到着した。結構安かったので米国アマゾンで買ったのだが($24)、注文出したの6月なんだよなあ。いくらなんでも遅すぎんか。それはともかく、また見て後悔するような映像に出くわしてしまうんだろうか。ブルースも今後さらなる映像化が進むものと思われるが、なんだか予想外の問題をはらんでいそうである。要らぬ心配か。

lonnie_lps

*上段左より
The Best Of Lonnie Johnson (Swaggie S1225)
Lonnie Johnson (RCA PM42390)
*下段左より
Vocals and Instrumentals 1927-1932 (Origin Jazz Library OJL23)
Master Of The Blues Vol.6 (Collector's Classics CC30)

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Dec 14, 2005

ガットバケット・トロンボーン

ike_rodgers

ガットバケット・スタイルとは初期ニューオーリンズ~シカゴ・サウス・サイド・ジャズの中でもより土臭いアーシーなスタイルを指す言葉だが、現在ではほとんど死語であろう。というわけで、ガットバケット・トロンボニストと言ってピンとくる人間はよほどのオールド・ジャズ・ファンであると推測されるが、これがT山氏とかU住氏レベルの好き者になるとピンとくるどころかアイク・ロジャース、ロイ・パーマー、アルバート・ウィンとポンポンポンと即座に三人の名が挙がるわけである。いやはや。
さて今回、今挙げた三人の中で戦前ブルース・ファンに比較的名が通っている(?)アイク・ロジャースを取り上げる。と言っても彼の場合、バイオ的なデータは残っておらず、詳しいことはほとんど分からない。残された録音だけが彼の経歴のすべてという人物である。
彼のリーダー録音は2曲のみ。1929年にピアノのヘンリー・ブラウンとのコンビでアイク・ロジャース・アンド・ビドル・ストリート・ボーイズを名乗ってデッカ、パラマウントへ1曲づつ。またリーダーをヘンリー・ブラウンに代えて4曲の録音がある。
そして先ほどロジャースを「戦前ブルース・ファンに名が通っている」と書いたとおり、上記録音以外にもアリス・ムーア、メアリー・ジョンスン、エディス・ジョンスンといったパラマウント系のクラシック・ブルース・シンガーのバックを多く務めている。これらの録音はすべて1929年に行われているが、彼の録音はここでいったん途絶えてしまう。世界恐慌のためである。
それにしても音である。少々かすれ気味の音でズボボボボ~と(表現があぶないか)、歌の合間を縫って実にブルージーに迫ってくるのである。たまらん。
1934年になって今度はデッカにて録音再開。ピーティ・ウィートストロー、ドリー・マーチン、そして再びアリス・ムーアのバックを付ける。サウンドにはまるで変化は見られず、一聴して彼と分かる音である。しかしせっかく再開した彼のレコーディング・キャリアだが、なぜかここで終わる。

アイク・ロジャースの単独盤LPであるが、私の知る限り画像の2枚のみと思う。左のコレクターズ・クラシックス盤は前述したロジャースのキャリアをかいつまんだ内容で、好き者御用達盤と言われていたLP。右はリヴァーサイドからの10インチ盤だが、内容はすべてコレクターズ・クラシックスに含まれるので、探すならCC盤をおすすめする。なおCDはドキュメントですべてリイシュー済み。

ところでアンプはまだ戻ってこない。う~ん、マイッタ。

※画像左より
Gut Bucket Trombone (Collector's Classics CC37)
The Fabulous Trombone Of Ike Rodgers (Riverside RLP1013) [10"LP]

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Dec 04, 2005

バンジョー夜話~盤外編

バンジョー夜話の第1回目でハリー・リーサーを取り上げたところ、彼のどこがそんなに気に入ったのか、リーサーに関する問い合わせが意外に多く、ちょっと驚いております。で、その質問の内容というのがまたほとんど同じで、リーサーのレコードはヤズー盤以外にどんなものがあるのかといったものなのだけれど、しかしこの世の中、物好きな方って結構多いんだなあと感心しきり。余計なお世話すか。
さてそこで、これはきっと他にも同じ疑問を持たれている方がいるに違いないという独善的発想に基づき、今回「盤外編」としてリーサーのレコードを簡単に紹介しようと思い立った次第。といっても私の手持ちレコードだけなので、非常に貧弱なものです。一応、前回紹介したヤズー盤は今回は省略します。また今回取り上げた以外にも「こんなのを持ってるぞ」といった方がいらっしゃいましたら、ご一報いただけると幸いです。

harry_reser_lp

上段左: Banjo Virtuoso (Broadway BR-122)
内容はリーサーのバンド/オーケストラであるシンコペイターズ、ブルーバーズ、クリコ・クラブ・エスキモーズといったものから選曲されている。画像ではちょっと分かりづらいかもしれないが、ジャケットに描かれているエスキモーズはメンバー全員がエスキモーのような防寒着を着ているという何だかよく分からないノヴェルティ・バンドで、しかも他の写真で見る限りバンジョー・プレイヤーがリーサーを含めて四人ばかりいたようだ。

上段右: Banjo Virtuoso Vol.II (Broadway BR-152)
上記の続編。リーサーのオーケストラものは、彼のバンジョー・ソロを聴くといった観点からはどうしても物足りない。その意味からすると本盤は比較的バンジョーがよく聴けて、この4枚の中では一番のお薦め。

下段左: Harry Reser's Novelty Groups (Take Two TT-202)
タイトルどおりの内容でエスキモーズ、シンコペイターズ、そしてシックス・ジャンピン・ジャックスなどを収録。ジャンピン・ジャックスはTOMから2枚のCDが出ているが、正直言ってそれほどおもしろいとは思えない。

下段右: Banjos Back To Back (RCA Victor LPM-2515)
最後は唯一の戦後録音(62年)もの。収録曲だが「スウィート・スー」はいいとして、「懐かしいケンタッキーの我が家」や「線路はつづくよどこまでも」など、全体として「バンジョーで奏でる懐メロ集」といった趣で、あくびをかみ殺すのに苦労するといった内容。よほどの物好きな方にしかお薦めはしない。ところで本盤はモノラル盤のほかにステレオ盤(LPS-2515)もある。

メールでお尋ねいただいた方には一様にお答えしているのだが、リーサーのレコードの中ではやはりヤズー盤が一番内容がいい。ま、あえて他にお薦めすればブロードウェイ盤だが、入手はやや難しいかもしれない。それからヤズー盤とのダブリだが、BR-122に1曲あるのみで他にはない。
以上、中身についてもう少し突っ込んで書きたかったのだが、実は数日前にステレオ・アンプを修理に出していて、音の方を確かめられないのである。おかげでCDも聴けない。トホホ。それでは。

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