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Jul 25, 2006

だれがカバやねん

Ma_rainey

「あんたが魚ちゃんかい」

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Jul 23, 2006

Port Of Harlem Jazzmen

Bechet_bluenote1

Sidney Bechet - Port Of Harlem Six (Bluenote BLP 7022) [10"]

シドニー・ベシェのブルーノート10インチ盤。“LEX”だけど、いいんでしょうかね、こんなに安くて。
98年、東芝がブルーノートの初期の傑作群を「ブルーノート・クラシックス」と銘打ってCD化したことがあった。そのラインナップは、レーベル初の作品となったミード・ルクス・ルイスとアルバート・アモンズのブギ・ウギ・ピアノを収めた『ブギ・ウギ・ピアノ&クラシックス』をはじめ、チャーリー・クリスチャンがアンプを通さずにギターを弾いたことで知られるエドモンド・ホールの『メモラブル・セッションズ』、そしてアート・ホーディスの『ロウ・ダウン・ブル-ス』、ウェブスター、ジャイムス・Pの『スウィング・セッションズ』などなど。
この時ベシェはポート・オブ・ハーレム・ジャズメンの他にブルーノート・ジャズメン2枚がCD化されたのだけれど、後者の2枚は買ったものの、「サマー・タイム」を収めた一番肝心の『ポート・オブ・ハーレム・ジャズメン』は買わなかった。理由はすでに輸入盤CDを持っていたからで(こちらはコンプリートだった)、要するに買ってもダブリになるだけというわけ。でも長年の経験上、こういうのは後で必ず後悔するのだ。で、結果は案の定。「あ~、あの時ケチな考えを起こさなければ。チキショーメ!」というわけである。しかし、まさかホンモノが手に入るとは思わなかった。うしし、と笑ってばかりもいられない。私、これを手にして初めて気が付いたが、LPとCDでは中身がまるで違うんである。
CDはジャケットこそオリジナルを使用しているけれど、中身は別物というくらいに編集に手が加えられていたのだ。まあ、考えてみれば8曲位しか入らない10インチ盤比べてCDは20曲前後入るわけだから当然なのかもしれないが、それにしてもこのガラガラポンのごとき編集。そうか「サマータイム」はこのLPには入ってなかったのか…。別にいいんだけど。

ところでポート・オブ・ハーレム・ジャズメンというのはフランキー・ニュートン、シドニー・ベシェ、J.C.ヒギンボサムを中心としたレコーディング・バンドで、39年に2回の録音を行っている。その中身はブルース・セッションなのだが、どれもが滋味に満ち溢れた素晴らしい内容となっている。このセッションの最大の成果はもちろん「サマータイム」。
ついでに言っておくと、このセッションにはギターにテディ・バンが参加している。そのバンはさらに40年、ベシェのブルーノート・カルテットにも加わり、その際にソロによる録音(4曲)を行うのである。しかも、そのうちの2曲はバン自身がヴォーカルをとったスロー・ブルースで、これらは彼の数多い録音の中でもスピリッツ・オブ・リズムに並ぶ重要作品と言える。
前述の輸入盤CDはバンのソロを含むポート・オブ・ハーレム・ジャズメンの録音をすべて収めた必携の1枚だったが、残念ながら現在は入手難。

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Sidney Bechet & Bluenote Jazzmen Vol.1 (Toshiba/Bluenote)
Sidney Bechet & Bluenote Jazzmen Vol.2 (Toshiba/Bluenote)
The Port of Harlem Jazzmen (Bluenote)

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Jul 13, 2006

ベリー・グッド!

がちゃこさんのブログで拝ませていただいたヴォキャリオンのSP。何かこう眺めているだけでスクラッチ・ノイズと共にタンパ・レッドとジョージア・トムの唄声が聞こえてきそうで、改めてSPの持つ力に感じ入った次第。
しかし、それと同時に感じたことがもう一つ。いや実は昔から思っていたことなのだけれど、アメリカ人ていうのはどうしてこうもLPジャケットやらレーベル部分に無神経にシールを貼ったりマジックで書き込んだりするのであろうか。いやシールに限らない。輸入盤レコードを買っていると、いろんな物件に出会うわけである。
アメリカではレコード・ジャケットの上にコーヒーカップをのせるという行為は日常的なものなのであろうか。カップの底とおぼしき茶色く丸い跡が付いたものを珍しくなく見かける。またウォーター・ダメージなんていうのもよく出くわす物件の一つだが、ジャケットの一部が水で濡れてブヨブヨにふやけていたりして、一体どうしたらそういう事態になるのか。とにかく神経を疑いたくなる物件目白押しなのである。
そりゃあ、LPジャケットは紙製である。何度も出し入れをしているうちに入り口のところが裂けたりあるいは底が抜けたりすることはあるだろう。もちろん、その破れた部分をセロテープで補修することだって理解はしよう。しかしだ。何でよりによってバンソウコウみたいなテープを使うか。どういう美意識をしてるんだ。しかもそんなものを“VG”「ベリー・グッド」なんて呼ぶ神経が知れない。

時々「そもそも日本人はレコードを大事にしすぎる」などとしたり顔でヤユする人間がいるけれど、開き直るわけじゃないが、大事にして何が悪い。日本人は幼き頃より物は大事にしろとの教えを体にたたき込まれている「モッタイナイ」の民族であるのだ。何でもかんでも大量に作ってポンポンと捨ててしまう欧米人(欧まで一緒にくくってしまっていいのか?)こそどうかしているのではないか。大体、レコード・ジャケットをコースター代わりにするんじゃない! バカ者めが。

しかし最近じゃアメリカ人も少しは心を入れ替えたようで、レコードのコンディション表記も多少こちらの感覚に近づいてきたようだ。
そういえば先々月アルゼンチンのレコード屋で買ったEP盤は、久しぶりにすさまじい“EX”(エクセレント)だったな。日本のモッタイナイ精神の普及もまだ道半ばのようである。

Verygood

コーヒーカップの跡が付いたやつが2枚ほどあったのだが、どれだったか思い出せなかった。残念。

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Jul 08, 2006

ハーフ・パイント・ジャクスンのレコード(4)

3回で完結したはずの「ハーフ・パイント・ジャクスンのレコード」だが、ひょんなことから新たにEPが1枚手に入ってしまった。せっかくだからもう1回だけやるかと簡単に考えて「しばしお待ちを」なんて言ったのだけど、がちゃこさんからそうはさせじと釘を刺されてしまいました。
しかしジョージア・トムやらホウカム・ボーイズへ話をって、私は中村とうようじゃないんだから。おかげで100曲くらい聴いたな、タンパ・レッドにジョージア・トム。書くのはハーフ・パイントだってえのに。だけど結局は音を確認しただけ。内容には反映されませんでした。何やってんだか、私。

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"Half Pint" Jaxon (Pirate MPC 520) [EP]

スウェーデン、パイレートのEP盤。A面はビル・ジョンスンのルイジアナ・ジャグ・バンド名義で、"Get The "L" On Down The Road"と"Don't Drink It In Here"。ビル・ジョンスンのスラッピン・ベースもすさまじいばかりだが、ジャグ、カズーが醸す下世話加減が何とも言えずいい。ちなみにピアノはジョージア・トム。
B面はアイキー・ロビンスン&ヒズ・ブル・フィドル・バンド名義。"Rock Me, Mama" と "My Four Reasons"。こちらもジャグがバンジョーとフィドルに替わっただけで、雰囲気としてはA面と変わるところはない。
収録曲はいずれもホウカム調ナンバーだが、ただホウカムとは言ってもタンパ・レッドとジョージア・トムのコンビなどから来るイメージとはかなり趣を異にする。彼らホウカム・ボーイズのようなのほほんとした牧歌的雰囲気は微塵もない。

と、ここでタンパとトムといえばと、ちょっと話を強引に持って行く。タンパ・レッドとジョージア・トム二人のコンビによる大ヒット・ホウカム・ナンバー、「イッツ・タイト・ライク・ザット」である。28年9月リリースのオリジナル・ヴァージョンはこの二人によるものだが、同年11月の再録ヴァージョンでは新味を出そうという意図からか、ハーフ・パイント・ジャクスンをヴォーカルに迎えホウカム・ジャグ・バンドを名乗って吹き込む。で、これが案の定の無軌道ぶり。だがやり過ぎたと反省したか、さらに間もない28年12月にオリジナル・ヴァージョンに近い形で「イッツ・タイト・ライク・ザット No.2」を録音するのである。
おそらくこの「タイト~」タイプの曲はセールス的にそれなりの成果があったのだろう。タイトルこそ違え、その後もこっちがうんざりするくらい吹き込んでいる。さらに同曲の成功は他のアーティストにも影響を与え、「タイト~」と同じパターンを持つ曲が多く生み出されることになる。ビッグ・ジョー・ウィリアムスの看板曲「ベイビー・プリーズ・ドント・ゴー」もその一つと言える。

話が横道にそれた。収録された4曲ともジャズ系ジャグ・バンド(アイキー・ロビンスンの方はジャグはないが)のクサ味漂うサウンドに絡むハーフ・パイントのハイテンションなヴォーカル。やはりこれはかなり独特であるな。

Half_pint_6

V.A. - New Orleans Horns Vol.1&2 1923-1954 (Document DLP 501/502)

ドキュメントの珍しい2枚組LP。少し前に魚住さんから旧マッチボックス盤のゴスペル・コンピにハーフ・パイントが収録されているとご教示いただいたのだが、それが本LPにも収録されていることが後でわかった。ただマッチボックス盤は2曲らしいが、こちらは4曲入っている。
収録されているのはコットン・トップ・マウンテン・サンクティファイド・シンガーズのもの。なぜゴスペルがこのタイトルのコンピに?と疑問に思われるだろうが、パンチ・ミラーが加わっているというわけ。
さてハーフ・パイントのゴスペルというわけだが、なるほど女性コーラスがバックに付き、一聴ゴスペルに聴こえる。が、やはりあのヴォーカルである。キワモノと呼べないでもない。

ブラック・ミュージックの歴史 (MCA VIM-5~7)

最後は中村とうよう氏監修による3枚組ボックス・セット。この中に1曲だけハーフ・パイントが入っている。正確にはアイキー・ロビンスンのリーダー吹き込みで、つまり先のEPと同じ。収録曲は"My Four Reasons"。
実はこのレコードの数年前の発売となる『ブラック・ミュージックの伝統』にハーフ・パイントが入っていたと思い、そちらをと考えたのだが、私の勝手な思い込みだったようだ。ともあれ日本盤でハーフ・パイントが聴けるアルバムということで取りあえず1枚挙げてみました。

※パイレートのEPについて、黒人雑学事典(ジャズ批評/No.44)の「ジャズとブルースの接点にいた1920~30年代のアーティストたち」という記事の中で佐々木健一氏が取り上げている。記事の内容だが、ホウカム~シカゴ・ジャズとブルース周辺の音楽を広範囲に取り上げるという興味深いもの。機会があったら(ないか)ぜひご一読を。

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