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Aug 30, 2006

ジミー・ゴードンのレコード

Jimmie_gordon

そこそこ録音量がありながら一部の好き者にしか聴かれない、そんなアーティストを取り上げて、レコードを見せびらかそうというのが当シリーズに貫かれた趣旨である。そんなものを見せられて羨ましく思うかどうかはまた別問題である。
で、前回のジョニー・テンプルだが見事失敗。需要がごく一部どころか皆無であった。そこで今回は自称「ピーティ・ウィートストローの弟」(もちろんウソ)のジミー・ゴードンである。前回の反省が生かされていないまるで無反省なセレクトであるが、私、偏屈な人間なもので「誰それ?」みたいな人物を取り上げずにはおれないのである。もし、そんなにいいのかと思われる方がいるとしたら、まるで無用な詮索と申し上げておく。

1934-1941 (Blues Documents BD-2075)

ジミー・ゴードンはいわゆるリロイ・カー・フォロワーの一人で、それは本盤収録のチャーリー・マッコイとのコンビを聴けば一聴瞭然。だがしかし、本盤はホウカム~ジャズ調のものが多くを占めている。録音メンバーはまずオーデル・ランド、ホレス・マルカム、ジョー・マッコイのハーレム・ハムファッツの面々、またサム・プライスにテディ・バンのコンビと、この辺りは前に紹介したジョニー・テンプルのバックとダブっている。というのも実はジョニー・テンプル、ハーレム・ハムファッツ、そして今回のジミー・ゴードンは一度のセッションでリーダーを代えてまとめてレコーディングされているのである。テンプルのところで書き忘れたが、もちろんゴードンがテンプルのバックに回っているセッションもある。他の録音メンバーだが、フランキー・ニュートン、ピート・ブラウン、ズティ・シングルトンとオールド・ジャズ・ファンにはお馴染みなところから、バスター・ベネット、リチャード・M・ジョーンズとマニア向けまで様々な顔が並ぶ。ゴードンのあっさりとした歌は好みの分かれるところかもしれないが、バックのサウンドは申し分なく、ジャイヴな味わいもなかなかなもの。コアなジャイヴ・ファン向けといったところか。

1934-1937 (Old Tramp OT-1219)

チャーリー・マッコイ、カール・マーティンといったギターとのデュオで録られたブルースはどれも凡庸。数曲収められたハーレム・ハムファッツとの録音が本盤の救い。

This Is The Blues Vol.7 (Brunswick 10357) [EP]

ジョニー・テンプルのところでも紹介した独ブランズウィックのEP盤。4曲収録のうち3曲は先のBD-2075とダブる。選曲がよく、今回の3枚の中ではジミー・ゴードンを知るのに一番いいアイテムではなかろうか。と薦めてみたところでどうにもならんだろうが。

ジミー・ゴードンの単独LPはドキュメントにもう1枚あるが、例によって持ってない。しかし内容的には恐らく似たり寄ったりであろう。

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Aug 25, 2006

星くん、この借りは必ず利子ば付けて返しますたい!

Blind_lemon

だれが左門やねん…

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Aug 23, 2006

Harlem Hamfats

前回のエントリ、「ジョニー・テンプルのレコード」の中でテンプルのバック・バンドとして名前が挙がったハーレム・ハムファッツ。今回はその彼らのLP画像を。ご存じの方も多いかと思うが、t-42御大のブログでもつい最近彼らのCDが取り上げられていたので、興味がお有りのかたはそちらの方もご参照ください。
彼らがどういうバンドであるかの説明は面倒くさいので省かせていただく。まあ、もっとも当ブログをご覧の方には無用か。

Harlem_hamfats_1

Harlem Hamfats (Ace Of Hearts AH 77)
Harlem Hamfats - I'm So Glad (Queen-Disc 062)

画像以外にもドキュメント、フォークリリック、オフィシャルに単独盤があるが、この辺りは当時入手しやすく、よって大して珍しくないと思うので画像は省略する。で、御大も書かれているが、ハムファッツのLPというと我々が探していたのはエイス・オブ・ハーツ盤だった。このジャケットを見つけたときの喜び! 「コノヤロー、3年探したぜ!」心の中で静かに叫んだ。
右はイタリアのクイーン・ディスクというレーベルのもの。なにか「売る」という行為を完全に放棄したかのようなジャケットである。アルバム・タイトルがこれほどむなしく響くジャケットも珍しいのではないか。

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Aug 20, 2006

ジョニー・テンプルのレコード

Temple_lp_1

さて、ハーフ・パイント・ジャクスンでご好評いただいた(うそだけど)「○○のレコード・シリーズ」ですが、その後第2弾を誰にするか慎重に検討を重ねてまいりました結果、ジョニー・テンプルと相成りました。本シリーズのエントリ条件である、「そこそこの録音量がありながら、ごく限られた一部の物好きしか興味を示さない」に見事合致する人選ではないかと自画自賛しておりますが、いかがでしょうか。ちなみにテンプルとどちらにするか最後まで争ったのはバンブル・ビー・スリムでした。まあ、それはどうでもいいか。

テンプルは87年にドキュメントによって単独LPが作られるまでは、あれこれのオムニバス盤でほんの数曲が聴かれるのみという状況だったが、まあそれがあるわ、あるわ。あまりの多さにありがたみなどいっぺんに消し飛んでしまうほどであった。
テンプルのキャリア中、最も重要かつ白眉とされるのが35年にヴォキャリオンへ行ったファースト・レコーディングである。この時、アンイシュードを含め6曲が録音されているが、中でもミシシッピ・ブルースの様式美の中でテンプルの感情ほとばしるヴォーカルが胸に迫る"Lead Pencil Blues"、"Jacksonville Blues"は、まさしくデルタ・ブルースの名唱の一つに数えられるものである。ロバート・ジョンスンよりも先にウォーキング・ベースを刻んでいる録音で、といった話もあるがここでは割愛。そしてスキップ・ジェイムズ直伝とされる"The Evil Devil Bleus"はスキップほどの悲壮感漂うものではないが、テンプルならではの味わいがある。あぁブルースの神様、最高です。

1935-1939 (Document DLP 511)

前述の35年の傑作群を収録。ところでテンプルは37年にニューヨークへ進出、そこではレコード会社(デッカ)の意向もあってかシティ・ブルース色を強めていくことになる。が、これらの録音はブルース・ファンからはあまり芳しい評価を得られないところである(だからここで取り上げたわけだけど)。しかしバックを付けるオーデル・ランド(cl)、ホレス・マルカム(p)、ジョー・マッコイにチャーリー・マッコイといったハーレム・ハムファッツの面々によるホウカム調ナンバーは、その筋の好き者には十分アピールできる内容と思うのだが。

1936-1940 (Blues Documents BD-2067)

こちらはもっぱらテンプルのシティ/ホウカム・ブルース・サイドといった内容で、つまりよほどの好き者しか聴いてないというもの。バックは先の盤同様ハーレム・ハムファッツのメンバーの他、サム・プライスとテディ・バンのコンビ、さらにはバスター・ベイリー、レッド・アレン、リル・アームストロングといった一流ジャズメンまでもがその名を連ねている。ただ過度の期待は禁物。

ジョニー・テンプルの単独LPはB.O.Bにもう1枚あったと思うが、持っていない。あと、参考までに以下2枚。

Temple_lp2

Out Came The Blues (Ace Of Hearts AH 72)

オリジナル・イシューはデッカで、これはそのリイシュー盤。テンプルは彼のヒット曲である"Louise Louise Blues"の1曲のみを収録。

This Is The Blues Vol.9 (Brunswick 10359) [EP]

独ブランズウィックの全10枚からなるブルース・シリーズの1枚で、本盤はジェシー・ジェイムズとのカップリング盤となっている。テンプルは"Bow Leg Woman"と"Evil Bad Woman"の2曲。

※ジョニー・テンプルのCDはドキュメントに3枚からなるコンプリート集があるが、肝心の第1集が廃盤。よって、Pヴァイン仏フレモーの2枚組をおすすめする。

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Aug 14, 2006

デル・レイ

Del_rey_cds

デル・レイは現役のブルース・シンガーの中で私が唯一追っかけて聴いている女性ブルース・シンガー(&ギター・プレイヤー)だが、そもそも彼女を最初に聴いたのはブルース・シンガーとしてではなかった。彼女がフロント・シンガーをつとめるジャイヴ・ユニット、イエス・イエス・ボーイズを耳にしたことがきっかけだった。
私好みのスムースな歌い口といい、彼女の弾くウクレレ・サウンドといい、ジャイヴ・ファンの急所をビシビシと突いてくるものであったが、しかしそれ以上に驚いたのは選曲だった。ディキシーランド・ジャグ・ブロワーズ、アイキー・ロビンスン、アール・ハインズにロバート・ウィルキンスという趣味の良さ。まあ、好き者って言ってもいいんだけど。
その後すぐにイエス・イエス・ボーイズ以前にソロCDがあるのを知り、早速手に入れてみたところ、これまた驚きだった。何とメタル・ボディのリゾネイター・ギターを手にしてのブルース・アルバムだったのだ。しかもギターの上手さといったらハンパじゃない。そしてここでもまたメンフィス・ミニー、ルーズヴェルト・サイクス、トーマス・ドーシーとマニアックな選曲で、う~む、う~むと唸りっぱなしだった。

Del_reyと以上、前置きが長くなった。彼女の2年ぶりに出た新譜である。
前作でもヤンク・レイチェルにシドニー・ベシェの「ブラック・スティック」と呆れるほどマニアックな選曲だったが、今回もビッグ・ビル・ブルーンジーやアイダ・コックスで知られる「ミシシッピ・リヴァー・ブルース」、エリザベス・ワシントンの「ライオット・コール・ブルース」、ルシール・ヘガミンの「ノー・マンズ・ママ」と相変わらずの凝り性ぶり。
また弾き語り中心の中にあって、バンドものとしてウィリー・メイボンの「ポイズン・アイヴィー」をサザン・フィーリングたっぷりに演っており、これがなかなかよい出来となっている。
全体的には若干インパクトが弱い気もするが、なーに5回も聴けばよく思えてくるもんだ。ファンなればこそだが。

Del Rey - When The Levee Breaks (Hobemian Records)

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Aug 03, 2006

本日の着荷

Aug_cds

本日スペインのブルー・ムーンより新譜3枚が到着。いつもは注文して1週間足らずで着くのだけれど、今回はちょっと時間がかかったなあ。CDだが湯気が立つくらいの出来たてのほやほや盤。セシル・ギャントVol.6/7、そしてアルト・サックス奏者のマーヴィン・ジョンスン。
ギャントは2000年に第1集が出て以降ポツリポツリとリリースされてきたが、ようやく今回の第7集で完結。マーヴィン・ジョンスンの方はカルヴィン・ボーズがヴォーカルに加わっているトラックもあるようだが、まだ中身を見ていないのでよく分からない。そんなもん、セロファンを破って見りゃいいじゃないかと思われるだろうが、聴きもしないのにうかつにシールドを破ったりすると後でどれが未聴か分からなくなるから、私、シールドは聴く直前に切るようにしている。
ところでスペインからの荷は毎度税関で中身を調べられているようだが、何かあるんだろうか。

下の3枚は京都のホット・ディスクより。こちらもすべて新譜。仏クラシックスはビル・ドゲットとアイク・ターナー。そしてアーキオフォンの“Monarchs Of Minstrelsy”はミンストレル・ショーで活躍したスターを集めたコンピ。昨年オールド・ハットがメディスン・ショーを題材にした2枚組コンピをリリースしたが、それとの対比が楽しめるのではと勝手に思っているのだが。

さてこの6枚、今月中に聴くことができるのだろうか。ま当然、無理だな。

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Aug 02, 2006

いづみやのおやぢ

しかし、ついこの間まで毎日ドサドサと降る雨にうんざりさせられていたわけだが、今度は連日のこの猛暑である。地球温暖化現象はかなり深刻なところまできているのではないか。ストップ・ザ・温暖化。って何だ、公共広告機構か、これは。いや、早くも夏バテですということが言いたかっただけでした。すんません。

夕べは久しぶりに「いづみやのおやぢ」こと、仙台の佐々木健一さんから電話があった。そもそもの用件は御用聞きなのだけれど、本題はそこそこに「そっちは雨やら暑さはどうよ。"Flood Water Blues"だったんじゃないの?」と早々にブルース、レコードの話へ突入し、例によって長電話となってしまった。
ところで私、数年前から梅雨時期のレコードの湿気対策が悩みのタネだった。よく震度6の大地震が体験できる地震体験ルームみたいなのをテレビで観たりするけれど、私の部屋の場合、高温多湿の亜熱帯気候体験部屋みたいなんである。もちろん、エアコンなんてない。それで、佐々木さんにその辺のところをどうしているか聞いてみた。すると、何と時々エアコンを回しているとのこと。もちろんレコードのためにである。なんでも佐々木さん自身は、クーラーはあまり好きではないらしい。店はクーラーを入れてないとも言っていた。
う~む、美術館並みの管理体制か。恐れ入りました。

さて、その後はレコードの話へ。今回は主に「あのレコードをいくらで買ったか」で、T・ボーンのキャピトル10インチ盤を○○ドル、ライトニンのヘラルドを○○ドル、ギャントの聞いたこともない4スターの10インチLPは○○ドルと、どれも驚きの安値。唯一大枚をはたいて買ったのがジョン・リーの「King 727」。大阪のサカネ楽器で買ったらしいのだけれど、そのことを『ザ・ブルース』に原稿を書いていた田中敏明氏に言うと、田中氏曰く。佐々木さんが買ったのは3枚入荷したうちの1枚で、あとの2枚は誰が買って、しかもそれはどこからいくらで仕入れたものでと、その3枚のキング盤は何から何まで知られていたというオチ付き。そしてその後も興味の尽きない話が次から次であった。
普段インターネットやらメールでのやりとりが多くなっているせいか、電話での声と声のやりとりが何だかやけに新鮮だったなあ。

Blues_cd_guide

今夏、ブルース・インターアクションズから発売となった新版の『ブルースCDガイド・ブック (2.0)』。夏にブルースは暑苦しくて聴けないが、これを読んで聴いた気にでもなるかな。

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