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Jan 31, 2007

ジャグ・バンドのレコード (4)

Whoopee102

先日、何かいい出物はないかとeBayを物色していたところ、「おお!」というものに出くわした。ホイッスラーズ・ジャグ・バンドのジェネットの78s。コンディションは「ex」。だが、画像で見た感じはニア・ミントと言ってもいいくらいにすこぶるよさそうで、しかもオリジナルのカンパニー・スリーブ(これがまたいい状態!)まで付いている。で、肝心のスタート値であるが、これが何と破格の9ドル!
出品から2日ほど経過しているが幸いまだ誰もビッドしていない。普段ならSPは無視するのだが、さすがにジェネットのピカ盤がこの値なら!というわけでここは慌ててビッドせず、「よしよし、誰にもみつかるなよ」と静観することに。
それから二日後くらいだったか一人がビッド。「チッ! 見つかったか」と思いつつも、まあ最後にひっくり返せばいいかと、さらに静観することに。が、ここまでだった。
次の日にはあれよあれよという間に40ドル。ここでもう私、ほとんど戦意喪失。「やっぱりなあ…」。しばらくは40ドルで止まっていたが、案の定最終日にはビッド合戦。結局、落札価格が420ドルだって。相場すか?これ。これじゃあ、悔しいと思う気も起きない。
以上、世の中そんなに甘くないというお話。

さて、SPは逃しはしたが、手持ちのもので聴けないわけじゃない。その辺り、抜かりはないのである。
ホイッスラーズ・ジャグ・バンドは、以前ディキシーランド・ジャグ・ブロワーズのところで触れたサラ・マーティンズ・ジャグ・バンドと並び、ジャグ・バンドとしては最も早い1924年に録音を行ったバンドである。その彼らが最初に録音を行ったのがジェネットで、未発表曲/テイク違いを含めて全部で11曲を吹き込んでいる。逃した盤に収録されていた2曲、"Chicago Flip"と"Jerry O'Mine"は「ジャグ・バンドのレコード(1)」で紹介したリヴァーサイド盤に入っているのだが、しかしここでもう一度同じ盤を取り上げても仕方がないので、今回は彼らのヴィクター録音が聴けるLPを。
彼らはジェネットの後、オーケーに数曲を録音。そしてその後ヴィクターにSPたった1枚分の録音を残す。31年6月録音、Victor23305。これが彼らの最後の録音となっている。

V.A. - Jug Bands 1924-1931 Vol.1 (Whoopee 102)

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業務連絡

時折、「こんなブログ/ホームページがありますが、ご存知?」とか「ブログを始めました」等のメールをいただくことがありまして、非常にありがたく思っているところであります。
ですが、せっかくの情報もたまにURLを書いてない場合がございまして、これでは見ることが叶いません(笑)。つい最近もさる御仁から情報をいただいたのですがURLが分からず見れないままです。もちろん、聞かないこっちも悪いのですが、大体が“物ぐさ”なので、何となく聞きそびれたまま「まあ、いいかぁ」と。
というわけで、もしかして「せっかく教えてやったのに何の反応もないぞ」と思われているかもしれませんが、こういう事情ですのでどうかご勘弁ください。それと今後はURLの記載を忘れずにお願いいたします。

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Jan 21, 2007

2006年買いもらしをチェックする

Ted_taylor

今月も無事脱稿。毎度のことながら神経使って書いて、おかげで今回も30本くらい抜けたな、髪の毛。大丈夫か、私の花の40代。
ところでブルース&ソウル・レコーズ誌の年末恒例記事「年間ベスト・アルバム」であるが、今回も編集部より「おまえも参加せよ」と声をかけていただいた。それで一週間悩みに悩んでなんとか3枚を選出。別に目新しいものは1枚もないけれど、興味のある(物好きな)方は本屋で立ち読みでもしてください。今、書店に並んでおりますので。ちなみに3枚とも当ブログで取り上げたものです。

で、その「年間ベスト」。他のレヴュアーの方は何を選んだのかと「ほぉ~」とか「ふ~ん」とかつぶやきながら、その年買いもらしたものがないか再チェックするわけだが、今回はコレといった“モレ”はなかった。が、しかし。年間ベストにはなかったが、巻末の日暮さんのコラムにあったのである。テッド・テイラーのオーケー録音集が。
日暮さんもあまりの世間の無関心さを嘆いておられるけれど、しかしbsrだってレヴューしてなかったじゃないかと、一応バック・ナンバーをめくっていたら、あれ、ちゃんと載っていたんだ。書いていたはブーツィーズの平野さんで、ともかく慌てて注文。年明け後しばらくして届き、早速トレーに。
う~む、そうか。いやこれは知らぬこととは言え、私が悪ぅございました。

CDではないが、同じくbsrで紹介されていた本もついでに注文した。『ロックを生んだアメリカ南部』というタイトルで、アメリカン・ルーツ・ミュージックであるブルース、ジャズ、ゴスペル、バラッドなど、その生まれ育った社会的背景を探るといった“カタイ”内容らしい。いつもお世話になっている濱田編集長が「五ツ星!」なんて書いているし、値段も手頃なのでついつい注文してしまったんだけど。しかしこのテの読み物はなかなか最後まで読み通せないんだよなあ。根気が続かないし、近頃では本は3ページも読むと眠くなる始末。おまけに目までも…。積ん読か。

Ted Taylor - The Ever Wonderful: Okeh Uptown Soul 1962-1966 (Shout! 26)
『ロックを生んだアメリカ南部』 (ジェームス・M・バーダマン、村田 薫著/NHKブックス)

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Jan 08, 2007

Clarence Williams

Clarence_williams

クラレンス・ウィリアムスというと決まって「ピアニストというよりもプロデューサー、コンポーザーとして活躍した人物で……」などと書かれるわけである。確かにジャズ・ピアニストとしては二流であったが、個人的には彼のヘタウマ的ピアノ伴奏が好きだった。
彼のピアノを最初に意識したのはシッピー・ウォーレスの伴奏だった。テクニック的にどうというものはないのだけれど、歌や曲のよさを際立たせる実に上手いバッキング・ピアノで、サッチモがバックを付けたものよりウィリアムスのピアノのみをバックに付けたものの方に強い感銘を受けたのである。大体サッチモは女性シンガーのバックでは吹き過ぎるきらいがあるのだが。
あとバタービーンズ・アンド・スージーを聴いていたときも非常に印象的なピアノに耳を引かれ、誰だろうと思ってデータを見たところ、やはりそれもクラレンス・ウィリアムスだった。

何で唐突にクラレンス・ウィリアムスをというと(ま、いつも唐突だけど)、年末年始にかけてずっとクラレンス・ウィリアムス漬けだったからで、そのきっかけが何の気なしに聴いたコレクターズ・クラシックス盤だった。これは彼のウォッシュボード・バンドものばかりを集めた編集盤で、その昔『ブルース・レコード・ガイド・ブック』で佐々木健一氏が大スイセンしていた。で、これがどうした具合か今の気分にピタッとハマってしまった。それからというもの一週間聴きっぱなし。聴き過ぎて、しまいには次に何の曲が来るか分かるまでになった。
よしこの勢いでと、次に聴いたのがナッチェズ盤。ナッチェズにはクラレンス・ウィリアムスのアルバムが3枚あるが、これがまた内容がいいんだな。特に第1集。これまた立て続けに10回以上聴いた。バックに名を連ねるのがバッバー・マイレイ、オットー・ハードウィック、キング・オリヴァー、バスター・ベイリー、etc。ヴァージニア・リストンのヴォーカルがまたタマラン!
第3集と4集は2枚組になっていて、こちらはブルー・ファイヴ、ウォッシュボード・バンドを中心に編集されている。ブルー・ファイブはサッチモとベシェの名前ばかりが取り沙汰されるけれど、トーマス・モリスやエド・アレンのブルージーなコルネットも実に味わい深く、もう少しクローズアップされてもよいのではないか。今度、トーマス・モリスでも取り上げるか。

クラレンス・ウィリアムスは仏クラシックスの14枚からなる全集も持っているが、半分くらい聴いたところで挫折している。今年は時間を見つけてじっくり聞いてみたいのだが。さて、そろそろ原稿に取りかからなくては。

画像左より
Clarence Williams & The Washboard Bands (Collector's Classics CC44)
Clarence Williams 1926-1930 (Natchez NLP-3001)

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Jan 02, 2007

ジャグ・バンドのレコード (3)

Cjs_1

ジャグ・バンドと一口に言っても、例えば戦前のもので言うとジャズ・フィールドで語られるものとブルース・フィールドで語られるものに分けられるし(別に分けなくてもいいけど)、また戦後になると白人のフォーク・リヴァイヴァルの中から生まれてきたもの、あるいはイギリスに渡ってスキッフル・バンドと呼ばれるようになったものといった具合にそれなりにいろいろとあるわけである。しかし、ここでは戦前のジャズ/ブルース・フィールド内のものに限って取り上げるので、あらかじめご了承のほど。実を言えば、それ以外のものはあまりよく知らないからなんだけど。
というわけで、前回のディキシーランド・ジャグ・ブロワーズはどちらかといえばジャズ系になるかと思うが、今回ははっきりブルースとして捉えられているキャノンズ・ジャグ・ストンパーズを。

画像左のハーウィン盤は2枚組のコンプリート集で、27年にバンジョー・ジョー(ガス・キャノン)がパラマウントにブラインド・ブレイクのギターをバックに吹き込んだものも含んでいる。見開きジャケの中には数ページからなる詳しい解説書が付く。
ストンパーズのLPというとヤズーにも同じく2枚組のものがあるが、このハーウィン盤と確か内容はまったく同じはずで、よって私はヤズーのは持っていない。あとルーツにも1枚あるが、内容的にはこれら2枚組LPにすべて吸収される。

もう1枚のEP盤は、アレクシス・コーナーが自らのコレクションを使って編集した「キングス・オブ・ザ・ブルース」というシリーズの第1集(第3集まである)。収録曲は"Repley's Blues"、"Viola Lee Blues"、"Big Railroad Blues"、"Springdal Blues"の4曲。
このシリーズは第1集のみストンパーズの単独盤で、他の2枚は戦前ブルースのコンピとなっている。

さて、この「ジャグ・バンドのレコード」のシリーズだが、レコードを出すだけでバイオだとか音がどうであるとかといった、そういうめんど臭いことには一切触れないことになっている。しかしこれでは単なるモノ自慢のようで少々気が引けるので、どんな音なのか興味があるという方のためにせめて試聴リンクだけでも(こちら)。CDを買わなくて済むくらい、丸々何曲も聴けます。

Cannon's Jug Stompers (Herwin 208)
Alexis Korner Presents Kings Of The Blues Vol.1 (RCA RCX-202) [EP]

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