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Feb 25, 2007

ヤズー考

Yazoo_crumb

ヤズーの紙ジャケ・シリーズ『ロバート・クラム・アートワーク・コレクション』だが、タイトルのとおり、数あるヤズーのタイトルの中でもクラムがジャケットを手掛けたものに限ってのリリースとなっているわけである。
巷間伝えられるところによると、最近はまたブルースのアナログ盤が売れているとのことらしい。中でもヤズーは人気で、入荷するやいなやすぐにハケてしまうとか。
eBayでもヤズーはかなり頻繁に出てくる。特にどのタイトルが、ということはなくて(強いていえばビッグ・ビルをよく見るか)、各盤よく出る。入札具合だが、10ドル未満のスタート値でもタイトルによっては誰も応札せずに流れてしまうこともあるけれど、しかしクラムのものが流れることはまずない。10~20ドルくらいのスタート値で、落札価格は大体40~60ドルか。場合によってはヒートアップして100ドルまでいくこともある。これはクラムの場合、ヤズー盤を集めている人間だけでなく、ブルースには興味はないがクラム関連のものを集めているクラム・コレクターがそこに加わるという事情もあるようだ。
というわけで、その辺りの需要に目を付けた今回の紙ジャケと言えなくもないわけだが、果たして売れているんでしょうか。

ヤズーと言えば以前、仙台の佐々木さんが「こっち(仙台)じゃ今、ヤズー盤がちょっとした人気で、ある若者なんか“○※@▲”(タイトル失念)を8千円払って買ったんだと!」なんて言ってあきれていたこともあった。
確かに佐々木さんにしろ私にしろ、ヤズーを「普通の」値段で買っていた人間からすると、そんな法外な価格で買うなど暴挙に近い行為ではある。しかし考えてみればそれがヤズーというだけで、例えば我々がライトニンのオリジナル12インチ盤なら多少の金額は出しても欲しい願うのと感覚的には変わらないのだろう。それだけ払っても自分のモノにしたい。アナログ盤に対する情熱の証しである。素晴らしいではないか。と一瞬思ったけど、でもやっぱりヤズーに8千円はありえないな。

ところで今回の紙ジャケ・シリーズだが、なんでブラインド・ボーイ・フラーの"Truckin' My Blues Away"はその選から漏れてしまったのか。内容がウケないとか。なわけないよな。

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Feb 21, 2007

Washboard Rhythm Kings

Wrk

スピリッツ・オブ・リズムのメンバーだったレオ・ワトスン、テディ・バン、ウィルバー・ダニエルズが一時期在籍していたことでジャイヴ・ファンにも人気があるウォッシュボード・リズム・キングス(以下WRK)については、デンマークのコレクターズ・クラシックスがその全容をCD5枚にまとめ上げている。
CDで5枚というとかなりのボリュームだが、中身を見てみるとWRK以外のバンドがかなり混ざっているのが分かる。ファイヴ・リズム・キングス、ザ・リズム・キングス、シカゴ・ホット・ファイヴ、ウォッシュボード・リズム・ボーイズなどである。
この全集の編集はブライアン・ラストの『JAZZ RECORDS』に依っており、上に列記したバンドが混在しているのもそのディスコグラフィのとおりなのだが、なぜ異なるバンド名を持つこれらのバンドがWRKの項目でくくられるのかはよく分からない。彼らの録音はほとんどがヴィクターなので、少し前に紹介したカリフォルニア・ランブラーズのようにレーベル別に名前を使い分けていたというわけではない。また、メンバーはかなり流動的で、総入れ替えといっていいほど、その時その時でまるで違っている。冒頭に触れたスピリッツ・オブ・リズムのメンバーにしても、実際はワン・セッション行っただけである。よって、構成メンバーによるつながりというわけでもないようだ。
というわけで、なかなか実態のつかみづらいバンドだが、これ以上考察しても意味がないのでやめる。別にそんなことに興味があるわけじゃないし。

さて、WRKにはその複雑なキャリアの中でいくつかハイライトと言える録音がある。一つは再三触れるスピリッツ・オブ・リズムのメンバーによるもの。それからジョージア・ウォッシュボード・ストンパーズのメンバーでもあったタフト・ジョーダン、クラレンス・プロフィットらによるもの。そして女性トランペッター、ヴァレイダ・スノウが参加したものと、いずれも好き者を自認するオールド・ジャズ・ファンであれば必聴の音源と言える。またファッツ・ウォーラーに近いニュアンスもあり、ジャイヴ・ファンも必ずやコレクションの列に加えるべきである。しかし、だ。残念ながらこの全集はすべて廃盤なのである。
いや、別に「こんな素晴らしい音源が廃盤になっているとは実にけしからん!」なんてことが言いたいわけではない。よくそういうことを言う人がいるけれど、私にはそういう考えはこれっぽっちもない。幸い私は持っているのだ。だから別に再プレスしてくれなくても一向に構わないのである。そりゃ聴きたいと思っている人には気の毒だとは思うけど、でも聴けないものは仕方がないじゃないか。人間あきらめだって肝心なのである。

と、ここまで書いてみたが、結局私は何が言いたいんだ。聴きたい人は中古のCDかLPでも探してくださいってことじゃないし。う~ん、今回はちょっとまとめきれなかったな。

Wrk_sor

Washboard Rhythm Kings - Serenaders 1930-1933 (RCA 430.700)
Leo Watson & The Spirits Of Rhythm (Caete LP-1)

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Feb 06, 2007

Record Buyer's Diary

Record_buyer

リットー・ミュージック刊『レコード・バイヤーズ・ダイアリー』読了。
カリスマ・レコード・バイヤー、内門洋(といっても私は知らなかったんだけど)の海外でのレコード買い付けについてミズモトアキラがインタビューした記事と、実際にミズモトが内門氏の海外買付に同行したときの様子が日記式につづられている。
単純に中古レコード店の海外買い付けといっても大きく分けて2パターンあるそうだ。一つはいわゆるレアなブツを買ってきてそれに可能な限り高額な価格を付けて売るというもの。この場合は、ほんの数十枚の買い付けであっても十分に商売は成り立つのだそうだ。そしてもう一つはとにかく安いブツ(といっても「売れるもの」という条件付きだが)を大量に掘りまくってきて、薄利多売方式で売りさばくというパターンである。
内門氏は後者のパターンで、1週間ほどの旅行で大体1500枚程度を買い付けてくるらしい。1週間といっても実働は5日というから、1日300枚。だが単に手当たり次第エサ箱から抜くというのではない。何とポータブル・プレイヤー持参で、試聴しながら買うのである。だから朝から晩までレコードを買ってるんである。荒行か。
内門氏が買うレコードは、ジャンルとしては普段私が聴いているものとはまるで縁遠いもので、本文に出てくるアーティスト名などは正直チンプンカンプンではある。しかし「レコードを買う」という行為についてまわる一喜一憂はレコード好きなら面白く読めるし、また共感できるのである。
この本に一店だけ知っているレコード店が出てきた。イギリスのavidという店で、内門氏に言わせると「かなりいい店」だそうだ。ま、私が知っているといっても、もちろん実際に行ったわけではない。通販で二、三度利用したというだけ。でも何を買ったのか…。思い出せん。

Bluemoon_cd

本日、ブルー・ムーンの新譜3枚到着。仏クラシックスが活動停止状態にある中、同レーベルは我々ジャンプ・ファンが現在唯一期待を寄せるレーベルである。
それにしてもモンテ・イースターが2枚って…。あ、レヴューは面倒臭いので書かない。いつ聴くかも分からないし、取りあえず「出ました」ということだけで。

先の話に戻るが、そういえば「買う」ということで何年か前に読んだ本を思い出した。『未読王購書日記』という本。この著者「未読王」の場合は商売ではなく個人の趣味・収集として本を買うのであるが、これがもう毎日のように本を買うわけである。
で、この著書には買った本の内容や感想は一切書かれていない。ただただ誰の何という本を買ったというようなことが延々と記されているのである。一番印象に残っているのが「本を読むヒマがあったら本を買いに行く」という一節。つまりこれが「未読王」と言われるゆえんであるわけだが、笑ったな。

Monte Easter - Vol.1 1945-1951 (Blue Moon BMCD 6053)
Monte Easter - Vol.2 1952-1960 (Blue Moon BMCD 6054)
V.A. - Kansas City Jumps Vol.3 (Blue Moon BMCD 6055)

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