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Mar 19, 2007

ウェスト・コースト・ジャズを考える

West_coast_jazz

さて今週は戦前ウェスト・コースト・ジャズのあれこれについて思いを巡らせているわけですが(小沢昭一的こころふうに)。

ウェスト・コースト・ジャズというと一般には50年代前半、アート・ペッパー、チェット・ベイカー、ジェリー・マリガンら白人ジャズメンによって隆盛を極めたそれをイメージするのではないか。だがもちろんここは私のブログであるからして、その対象は戦前のミュージック・シーンということになる。
では戦前のウェスト・コースト・ジャズとは如何ようであったかというと、これがけっこう厄介な問題なのである。
例えばハーレム・ジャズやカンザス・シティ・ジャズと言った場合は、地域的音楽的、また人物的イメージが確立されており、立派にカテゴリとして成立している。しかし戦前ウェスト・コースト・ジャズというカテゴリーが同じように成立するかというと、これは難しい。ウェスト・コースト・ジャズに「明るい」「さわやか」あるいは「インテリジェンス」といった共通のサウンド・イメージが認められるようになるのは少なくとも40年代、具体的に言えばスタン・ケントン登場以降のことで(ただケントンはまたちょっと独特ではあるけど)、戦前、20~30年代の音にはこれがウェスト・コーストであると思わせるほどの共通した個性などはないのである。いや個性云々の前に、そもそもその時代のウェスト・コーストにジャズは存在していたのか(この言い方は誤解を招くか)。
キッド・オリーは1919年にカリフォルニアに移り、そこで結成されたサンシャイン・オーケストラは、黒人初のレコーディングを行ったジャズ・バンドとして知られる。22年に吹き込まれた彼らのその歴史的録音はLA録音であったため、しばしば戦前ウェスト・コースト・ジャズのサンプルとして話題に上ったりもするが、しかしこの事実が示すのは単に彼が「LAで録音した」ということのみである。オリーがウェスト・コーストのミュージシャンかといえば、そんなふうに思っている人間などいないだろう。
ホームページで以前サニー・クレイのCDを取り上げたことがある。英フロッグから出た彼のそのCDタイトルはズバリ、『ウエスト・コースト・ジャズ』だった。が、クレイの場合も最終的に「行き着いた先がLAだった」というだけのことであって、クレイもウェスト・コーストのミュージシャンというわけではないのである。
あとLPになるが、オールド・ジャズのヤズー的レーベル、アルカディアに戦前ウェスト・コースト・ジャズについてまとめたアルバムがある。“West Coast Jazz Vol.1/2”というタイトルを持つこの2枚には、比較的知られたところ(?)ではサニー・クレイの他にカーティス・モスビーが収録されている。しかしモスビーも出身はカンザスで、やはりカリフォルニアへ移り住んできたミュージシャンであった。

というわけで続きはまた次回、ウェスト・コースト・ジャズを考えるのこころだぁ~。

V.A. - West Coast Jazz Vol.1 (Arcadia 2001)
V.A. - West Coast Jazz Vol.2 (Arcadis 2002)

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Mar 11, 2007

Pioneers of Jazz

Pioneers_of_jazz

ブログの更新をしばらくさぼっておりました。いや、「さぼる」という言い方は正しくないな。別にブログの更新をするなんて義務はないわけだし、ましてや仕事でも何でもない。やる気が起きなかったのでほったらかしていただけのことです。
でもその間、たまっていた本をかなり消化した。先々月に紹介した『ロックを生んだアメリカ南部』は結構面白かった。とても分かりやすく書かれているのがいい。おすすめです。
というわけで音楽もしばらく聴いていなかったが、最近はアクロバットからの新譜、ファイヴ・ブラインド・ボーイズ・オブ・ミシシッピの2枚組CDを繰り返し聴いている。1954年までではあるが、ミシシッピのピーコック録音がコンプリートで収められている。おぉゴッド! あぁ、アーチー・ブラウンリー! グレート! 

あとついでに先月手に入れたEP盤を1枚。独コーラルの『Pioneers Of Jazz』というシリーズの1枚で、ハーフ・パイント・ジャクスンが1曲だが収録されている。曲名は"Easy Rider Blues"とクレジットされているが、これは"I Wonder Where My Easy Rider's Gone"の間違い。
このシリーズは昔、『レコード・コレクターズ』に紹介記事が載っていたことがあった。どんな内容だったか思い出せないのだけれど、探し出す気力がない。悪しからず。
ところでこのEP盤、バカ安だったので買ってみたが、でももうEPに手を出すのはやめた。道楽としてはいいかもしれないが、たった4曲しか入っていないのに千円とか、それ以上とか。バカバカしい。CDを買った方がよほど気が利いている。はい、貧乏人のヒガミです。

The Five Blind Boys Of Mississippi 1947-1954 (Acrobat ADDCD 3003)
Pioneers of Jazz 18 - The Early Blues (Coral 94 218) [EP]

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