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Oct 17, 2011

テリトリー・バンド~セントルイス

Herwin114

前回、前々回と触れたレーン・ハーディンは、セントルイスのブルースマンで、件の戦前録音は同地のブルースマンを集めたマムリッシュのオムニバス盤、『HARD TIME BLUES』で聴くことができる。
ところでセントルイスというと、ピーティー・ウィートストロー、ウォルター・デイヴィス、ルーズヴェルト・サイクスといった大量の録音を残しているピアノ・ブルースマン達が思い浮かぶわけだが、では戦前ジャズのジャンルではどうだろうか。
というのも、先日テリトリー・バンド系のレコードをチェックしていたところ、ハーウィンの『St.Louis Jazz 1925-1927』が目についた。そういえば、セントルイスのジャズ・バンドを集めたLPが他にあったかなと。テリトリー系のLPというとカンザスやテキサスが多いが、セントルイスに関してはこのハーウィン盤以外ほとんど見ないし記憶もない。
それで、捜索を開始したところ、もう一枚出てきた。

P1000672
パーロフォンの『Jazz From St Louis 1924-1926』
全部で四つのバンドが収められているが、アルバムの中心はチャーリー・クリース率いるジャズ・オー・マニアックス。ブルース・ファンには、ロニー・ジョンスンが初録音を行ったバンドとして知られている。ちなみにジョンスンはこのときギターではなくヴァイオリンで参加しているが、これもよく知られたところか。
セントルイスのジャズと言っても特筆すべき特徴があるわけではない。サウンドは地理的に言ってもニューオーリンズ~シカゴのラインといっていいのではないか。
今回2枚を聴いたところ、頭一つ抜けていると思われるのがハーウィン盤収録のデューイ・ジャクスンズ・ピーコック・オーケストラ。濃厚なアンサンブルにアレンジメント、各プレイヤーの技量、どれをとっても一級品といえる出来映えである。

Charles_creaths_jazzomaniacs

Dewy_jackson

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Oct 08, 2011

レーン・ハーディン~追記

2012_blues_calendar前回のブルース・カレンダーのおまけCDに収録されたレーン・ハーディンの初リイシュー音源について、若干補足を。ブルース・カレンダーの解説によると、この音源はレコード・コレクターとして有名なスティーブ・ラヴィアが数年前に見つけたものとのこと。それでひょっとしてと思い『BLUES DISCOGRAPHY 1943-1970』を開いてみたところ、LANE HARDIN / Cartey Blues (Pacific 100)と、ちゃんと載っていた。もう片面は“unknown title”となっているが、これはブルース・カレンダーの解説にあるとおり、別人とのことらしい。ちなみにレーベルのパシフィックはウェスト・コースト・ジャズでお馴染みのパシフィック・ジャズとはまったく別のレーベル。

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Oct 07, 2011

Barbecue Any Old Time

Oldhat1008ブルース・カレンダー2012版、もう皆様のお手元に届いているでしょうか。私のところには先月届きました。
今回で9年目となる本カレンダー、もちろんカレンダーだからといって壁にぶら下げたりしないし、しかも昨年のやつ(2011年版)に至っては、おまけCDもとうとう一度も聴かずじまいという有様。何だか飽きてきたって気がすること大なわけだが、しかし性懲りもなく今年も買ってしまいました。ま、付き合いみたいなもんです。
さて、そこで気になるおまけCDだが、今回の目玉はなんとレーン・ハーディンとブラインド・ジョー・タガートの初リイシュー音源。ハーディンと言えば戦前にたった一枚のSPがあるだけの謎のブルースマンといわれた人物だったが、数年前、彼の戦後録音なるものがリサーチャーの手によって明らかになり、詳細な分析とともにCD化され(もっとも音源自体は以前からあったものだが)、スキ者の間で話題になったものだった。
今回の初出音源は48年録音で、35年録音の"Hard Time Blues"から13年の歳月が経ち、残念ながらあの繊細さは若干失われている。が、その反面渋みが増していて、これはこれで違った良さがある。カレンダーはもうどうでもいいけど、CDのおまけにカレンダーが付いていると思えばいいのだ。

それとついでにもう1枚。オールド・ハットから久しぶりの新譜。今回はバーベキューに絡んだ曲を集めるという突拍子もないコンセプトによるコンピとなっている。最初見たとき、ジャケットにバーベキュー・ボブの写真がデザインされていたので、私はてっきり彼のベスト盤みたいなものだろうと思っていたんだけど。一体これはどう聴いたらいいのだろうか。もっとも歌詞なんかほとんど気にしないから、別に焼肉のコンピだろうが鍋のコンピだろうが、関係ないといえば関係ないわけだけど。それにしてもこのCD、ハーフ・パイント・ジャクスンが最高だ! あとサヴァンナ・チャーチルを入れているところもいい。

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Oct 05, 2011

くつろぎ盤

先月は風邪で丸二日間寝込み、やっと治ったかと思ったら今度はぎっくり腰。今回で三度目。幸い今回は症状が軽くてよかった、と安心したのも束の間、何だかおととい頃からまたのどが痛い。風邪がぶり返しそうな予感。もう二週間以上走れず、半病人状態が続いている。
Budpowellとは言え9月はとてもいい気候状態で、レヴュー書きにちょっと悩まされはしたけれど、なかなか穏やかな日々でありました。そんな中よく聴いたのがバド・パウエルの『In Paris』。くつろぎの中に今にも崩れそうな危うさがあって、そのきわどさがいい。バドはあとヴァーヴの『Jazz Giant』もよく聴いた。ヴァーヴといえばあの狂気の一枚だが、こちらは同じく負けず劣らずの素早いパッセージもあるものの、バラードのいいのが何曲か入っている。
僕のくつろぎ盤は他にもアート・ペッパーやスタン・ゲッツ、それに前回も取り上げたチャーリー・マリアーノといろいろあるけど、すべてに通底するのは「郷愁」そして「しみじみ」か。

郷愁を誘うといえばこれだなあ。

もう40年も昔かあ。随分遠くまできてしまったんだとしみじみ。
それにしてもマチャアキ、いい声している。

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