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Mar 21, 2012

夫婦デュオの系譜 その一~グラント&ウィルスン

Docd5563ソニー・レコーズのルーツン・ブルース・シリーズの一枚に、『ローンチィ・ビジネス』というボーディ・ブルースを集めたコンピがある。ルシール・ボーガンやボ・カーターらの、お馴染みのボーディ・ソングに混じって、ハンター&ジェンキンスが2曲収められているのだが、これがこの夫婦デュオの名前がはっきりとクレジットされた初のCDではなかったかと思う。とは言っても、多くの方には「ハンター&ジェンキンス? 誰それ?」であろうか。ハンター&ジェンキンスは、グラント&ウィルソンの変名なのだが、それでもやはり「誰それ?」か。

ポール・オリヴァーの『ブルースの歴史』によると、1900年頃、シンガー/楽団の最大の稼ぎ場所は「劇場」であった。その盛況ぶりに目を付け1909年にTOBA(シアター・オウナーズ・ブッキング・エージェンシー)が発足、アーティストらにとってはかなりの低賃金という悪条件ではあったが、傘下にある40を超える劇場すべての契約が保証されるというしくみだった。こうした環境がクラシック・ブルース/ジャズ・シンガーを育て、評判を得ていったのである。話を少々端折るが、そうした中、黒人ヴォードヴィルで特に人気があったのが夫婦掛け合いの出し物で、そのスタイルを洗練の域にまで極めたのがバタービーンズ&スージーのコンビあり、その彼らに迫る人気を誇ったのがグラント&ウィルスンだった。

ところで、バタービーンズ&スージーは単独LPがあったのに対し、グラント&ウィルスンはドキュメントがコンプリートでCD化(全3枚)するまで、まとめて聴くことができるLPは(多分)なく、戦前ブルース/ジャズのオムニバスで1、2曲聴ける程度だった。

つづく…


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Mar 02, 2012

バップ・ピアニスト四天王(白人)

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昔、アル・ヘイグを聴いたことがきっかけとなり、ジョー・オーバニー、ドド・マーマローサといった白人バップ・ピアニストを聴くようなった。この三人のピアノに共通するのは硬質、精巧、そして求道的とも言えるストイックさにあると思うのだが、ただそんな中にも哀感というか、白人特有の切ない歌心があって、それが一度はまってしまいとなかなか手放すことのできない執着心を生むのだと思う。
さて、前回ジョー・オーバニーの『Birdtown Bird』を取り上げて、「オーバニーはトリオよりもソロがいい」と書いたが、先日久しぶりに『Proto Bopper』聴いたら、やはりトリオもいい。
オーバニーのピアノはバド・ウエルの流れを汲むものだが、何か病んでるというか、紙一重的危うさというか、屈折した独特の味わいがある。だから長く続けて聴くと疲れるのだけど、でもしばらく経つとまた無性に聴きたくなる。麻薬的と言うのだろうか(もちろん未経験ですが)。

ところで、当エントリーを「四天王」としたけど、三人しか名前を挙げていない。あと一人は? もちろんジョージ・ウォーリントンだが、それはまたの機会に。

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