Jan 15, 2016

ジャイブ33撰~Pat Flowers

Patflowers

ジャイブ33撰といっても「何それ?」か。拙ブログのサイドバーにあるフォト集なんですが、「ジャイブのレコードならこれだ!」ってのを独断と偏見に基づいて選定しているのであります。ブログ本体は更新せざること山の如しであるが、この33撰は地味に更新しているのである。
というわけで、今回29枚目に挙げたのがパット・フラワーズ。選んだLPはコレクターズ・アイテムズ盤『Friends Of Fats』。つまりファッツ・ウォーラー・フォロワーを集めたオムニバス盤である。ところでパットの単独盤LPというと仏ブラック&ブルーに一枚あるが、これが70年代に入っての録音集で、ヴィンテージ期のものに比べると正直弱い。ちなみにバックにジミー・シャーリー、スラム・スチュワートといった往時の名バイプレイヤーが付いているので、お好きな方はどうぞといったところ。
さてコレクターズ・アイテムズ盤だが、パットは全部で6曲収録(うち2曲はインストゥルメンタル)、他にエメット・マシューズ、ジーン・セドリックといったところが収められている。肝心のパットはというと、これがもうまるでファッツそのもので、フォロワーを通り越してイミテーターといったあんばい。というのもパットはファッツのマネージャーでもあったエド・カークビーに見出され、ファッツの後継者として売り出されたのであった。
Friends_of_fats21945年2月に行われた「ファッツ・ウォーラー・メモリアル・ショー」ではバックにアル・ケイシーやジーン・セドリックといったファッツのアンド・ヒズ・リズムでお馴染みのメンバーに加え、さらにゲストとしてルイ・アームストロング、レッド・ノーヴォ、トミー・ドーシー、ジェイムス・P・ジョンソン、ミルドレッド・ベイリーといった豪華な顔ぶれが揃った見事なショーであったが、同時にエド・カークビーのパットに対する並々ならぬ力の入れようがうかがわれるものだった。このときのライヴの模様はかつてLPでも出ていたが、今は上の画像のクラシックス盤ですべて聴ける。もっともこのクラシックス盤もとっくに廃盤で手に入るかどうかあやしいが。
コレクターズ・アイテムズ盤に話を戻すが、今回取り上げた『Friends Of Fats』には続編となる第2集がある。やはりパットは6曲収められている(歌入りは2曲)。他にはジーン・ロジャース、カウント・ベイシー、ルビー・スミスが選曲されている。さほど珍しいレコードでもないので、クラシックスの2枚のCDを探すよりかは、簡単に手に入ると思う。

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Dec 09, 2014

Orrin Evans - It Was Beauty

Orrin_evans過去を遡れば僕が言うところのジャズ・ピアノは、テイタムでありファッツであり、ライオン・スミスであったりしたわけだが、このところは専らこういう現代ピアノ・トリオを指すのだ。
聴いていて思うのは、やはり新しいのはカッチョイイのだ。別に古いのがカッコ悪いわけじゃないけど、オールドものはノスタルジックな部分に感動の要素が多く含まれていると言える。もっともテイタムは別だが。
オリン・エヴァンスのこのアルバムに限って言えば、硬派&技巧。わかりやすさとちょっとフリーがかった部分の絶妙な混ざり具合がいい。よし、もう一枚買おう。
うーん、テディ・ウィルソンにはしばらく手が伸びそうにもないなあ。

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Sep 21, 2012

EP盤あれこれ その七

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いい加減、自分でも飽きてきた。このEP盤シリーズ。いったん、これで一区切りといたします。
最後はスワギーのEPをまとめて何枚か。スワギーのEPは、ほとんどが組み合わされて12インチLP化されているので特にEPを買う必要はないのだけど、なぜか買っていた。

ジミー・バートランドは、彼の名義でリリースされているという事実がスゴイ。ジョニー・ドッズのベストのひとつがこのジミー・バートランズ・ウォッシュボード・ウィザーズではないかと思うがどうだろうか。
パンチ・ミラーは、ハーウィン盤とはダブらない。とは言っても、収録されているのはアルバート・ウィンのガットバケット・ファイヴやジミー・ウェイド名義のもので、要するに別に珍しいものはない。
トーマス・モリスは昔好きで、よく買っていたのだけれど、彼とジョージ・マクレノンのカップリングのLPを見つけたときは飛び上がって喜んだとういう懐かしい思い出が。

JIMMY BERTRAND'S WASHBOARD WIZARDS (Swaggie)
PUNCH MILLER 1928 (Swaggie)
THOMAS MORRIS and his Seven Hot Babies (Swaggie)
THE DIXIELAND JUG BLOWERS Vol.1 (Swaggie)

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Aug 30, 2012

EP盤あれこれ その六

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今回はジャズ・コレクターから二枚。ジャズ・コレクターというと、黒人がベッドに腰掛けているイラスト・ジャケがお馴染みなのではないかと思うけど、こういうちょっと素っ気ないのもある。
マウンド・シティ・ブルー・ブロワーズは、ラングがいなければノベルティ以外の何者でもない。ということを改めて感じる次第。
僕はマグシーがかなり好きだ。白人特有の哀愁感漂う歌わせ方と、かといって白人らしくない黒っぽいフィーリング、それらが混じり合った感じが何ともいいと僕は思うのだが。

MOUND CITY BLUE BLOWERS (Jazz Collector)
THE BUCKTOWN FIVE (Jazz Collector)

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Aug 07, 2012

EP盤あれこれ その五

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セシル・スコット・アンド・ヒズ・ブライト・ボーイズを取り上げるのは実は今回が二度目になるのだけれど、どうせ覚えている人もいないだろうということで。
このバンドは、29年にブルーバードに4曲を残すのみのバンドだが、メンバーにはビル・コールマン、フランキー・ニュートンそしてデッキー・ウェルズと、スキモノが目を剥くメンバーを擁していた。
聴いてまず感じるのはアレンジの緻密さで、特にホーン陣のアンサブルがいい。アレンジャーはピアノのドン・フライだろうか。

仏RCAの「TREASURY OF JAZZ」シリーズは、EP、10インチ、12インチとあるが、どれもJAZZと大書きされた同じデザインで、番号も特に区別がなく、ジャケットを見ただけではそれがEPなのか何なのか判然としない。ちょっと厄介なシリーズと言える。

CECIL SCOTT and his bright boys (RCA)

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Jul 23, 2012

EP盤あれこれ その四

サム・モーガン。ご存じの方、いますかね。『世界ジャズ人名辞典』にも、ジョン・チルトンの『Who's Who Of Jazz』にも載っていない。僕がモーガンを知ったのは、VJMにモーガンのアルバムがあって、そのVJMのレコードを集めているうちに出会ったのだった。
さて、今回のEP盤は「その一」でも紹介したフォンタナの「TREASURES OF NORTH-AMERICAN NEGRO MUSIC」の一枚なのだけれど、先のパイロン・ニューオリンズ・オーケストラといい、今回のサム・モーガンといい、このシリーズの人選はかなりマニアックといえるのではないだろうか。
サム・モーガンの魅力は、当シリーズのタイトル「ニグロ・ミュージック」のとおり、初期ニューオリンズ・ジャズにあって、アーシーな部分が色濃く出ているところにあると思う。

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SAM MORGAN'S JAZZ BAND (Fontana) [EP]

さらにつづく…


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May 11, 2012

EP盤あれこれ その三

オスカー・セレスティン、ODJBと続いたオランダ・フィリップスの「クラシック・ジャズ・マスターズ・シリーズ」からもう一枚、アルフォンソ・トレントと並ぶ、テキサスを代表するテリトリー・バンド、トロイ・フロイドを。
LPではニュー・ワールドのテリトリー系のオムニバスや、昨年11月に紹介した英パーラフォンの『Territory Bands 1926-29』、そしてこれまただいぶ以前に紹介したフォンタナの『Nothin' But The Blues』で聴けたのだけど、かなりのスキモノでないとご存じないかも。
代表曲は“Shadowland Blues”、“Dreamland Blues”の2曲のブルースで、後者ではベイシーのオール・アメリカン・リズム・セクションの一翼を担ったハーシャル・エヴァンス(グレート!)の初録音にして初のソロが聴ける。もちろん、ドン・アルバートのトランペットもいい。

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TROY FLOYD 1928-29 (Philips) [EP]

つづく…


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May 01, 2012

EP盤あれこれ その二

オリジナル・ディキシーランド・ジャズ・バンドは今さら言うまでもなく、ジャズ史上初の録音を行ったバンドであるが、リーダーで自称「ジャズの創始者」のニック・ラロッカの人物像は、ジャズ・ミュージシャンに到底あるまじき傲慢な差別主義者であったようだ。

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ラロッカは死ぬまで言い続けます。
ジャズは白人だけで創り出したものだと、黒人は関係ないと言い切りました。
ジャズのリズムをアフリカのものとして黒人にルーツを求める評論家もいる。
だが黒人は白人からこのリズムを教わったんだ。
どのジャンルの音楽でも白人のほうが黒人より上手だ。
~ニック・ラロッカ
『KEN BURNS JAZZ』より
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しかしこの時代、この手の人間は珍しくとも何ともなかったであろうし、むしろそういう時代であったわけだ。だがそんな中、数年の後にはオースチン・ハイスクール・ギャングと呼ばれる、黒人ジャズに傾倒し範をとった白人青年たちが出てくるのである。

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First Jazz Recording 1917 (Philips) [EP]

ODJBとルイジアナ・ファイヴのカップリング盤。ODJBの成功によって、雨後のたけのこの如く白人ジャズ・バンドが登場するわけだが、ルイジアナ・ファイヴはそんなバンドのひとつ。

ニック・ラロッカは25年、神経衰弱に苦しんで引退。

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Apr 30, 2012

EP盤あれこれ その一

ジョン・チルトンの『Who's Who Of Jazz』を引くと、ロレンツォ・ティオ・Jrは1910年からオンワード・ブラス・バンドでプレイを始め、そして正式にクラリネットを教え始めたとある。ティオは1884年生まれであるから、若き新任教師といった風情であったろう。卒業生名簿にはバーニー・ビガード、ジョニー・ドッズ、アルバート・ニコラス、ジミー・ヌーン等々、多くの名プレイヤーたちが名前を連ねている。
1913年にはフレディ・ケパード、キング・オリヴァーらと共にアーリー・ジャズ期の巨人の一人と並び称されるコルネットの名手、オスカー・パパ・セレスティンのバンドへ加入。その後シカゴへ出るも1917年にニューオリンズへ戻り、翌年再びセレスティンと合流、ヴァイオリニストのアルマン・J・パイロンと仕事をするようになる。

実際にティオの演奏が聴けるのはジェリー・ロール・モートンのレッド・ホット・ペッパーズ、パイロンズ・ニューオリンズ・オーケストラ、クラシック・ブルース・シンガーのローラ・スミス、エヴァ・テイラーなどがある。

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画像は2枚ともEP盤。
PIRON NEW ORLEANS ORCHESTRA (Fontana)
OSCAR CELESTIN 1925-1928 (Philips)

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Apr 25, 2012

NORK~モートン~シメオン

前回画像のレコード、『Crescent City White Jazz』と同趣向のアルバムに、『Crescent City Rhythm 1923-1924』というのがある。オランダ・リヴァーサイドの「クラシック・ジャズ・マスターズ・シリーズ」の1枚で、ジェリー・ロール・モートンの加わったN.O.R.K.、オリジナル・メンフィス・メロディ・ボーイズ(ともにジェネット原盤)、ミッドウェイ・ガーデン・オーケストラ、ニューオリンズ・ジャズ・バンドの四つのバンドが収められている。以上、ちょっと思い出したのでついでに取り上げてみた。

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ところで、モートンのレッド・ホット・ペッパーズのクラ奏者で、“Black Bottom Somp” や “Doctor Jazz” などの名演を残したオマー・シメオンは、ドッズやヌーン同様、ロレンツォ・ティオ門下生の一人だが、その師であるティオに捧げたと思われる「ロレンツォズ・ブルース」という曲を45年に吹き込んでいる。ジェイムズ・P・ジョンスン、ポップス・フォスター、シメオンの3人よって演奏されたこのオリジナル曲は、滋味あふれるしみじみとした作品となっている。
このトリオ・バンドは全部で4曲の吹き込みがあるが、どれもなかなかよい。

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OMER SIMEON TRIO (Tempo) [EP]

つづく…

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